
甲状腺のために ― ネコさん編
「最近、よく食べるのに痩せてきた」「年のわりに元気で、若返ったみたい」
そうおっしゃる方の中に、甲状腺の病気を抱えたネコさんがいらっしゃいます。
甲状腺は、体じゅうの代謝の速さを決める臓器です。だからこそ、この病気は甲状腺だけの話では終わりません。腎臓・心臓・肝臓・副甲状腺、そして肺や腸まで、全身を一緒に見ていく病気です。
このページでは、ネコさんに多い甲状腺機能亢進症を中心にお話しします。
1. 甲状腺は、全身の代謝のアクセルです
甲状腺は、喉の気管の両脇にある小さな臓器です。
ここで作られる甲状腺ホルモンは、体じゅうの細胞に「どのくらいの速さで働くか」を伝えています。熱を作る、心臓を打つ、栄養を燃やしてエネルギーに変える。そのすべての速さを決めているのが、このホルモンです。
甲状腺が主に出しているのはT4(サイロキシン)というホルモンです。T4はそのままでは力が弱く、肝臓・腎臓・筋肉などで、働く形のT3(トリヨードサイロニン)に作り替えられて、はじめて本来の働きをします。
詳しく覚えなくて大丈夫です。甲状腺の働きは、肝臓や腎臓の働きと切り離せない。 ここだけ覚えておいてください。
もう1つ。甲状腺の表面と内側には、副甲状腺という米粒ほどの組織が、左右に2つずつあります。こちらは体の中のカルシウムの量を調整する役目です。甲状腺の病気では、この副甲状腺も一緒に見ていく必要があります(第6章)。

2. ネコさんは「出すぎ」、ワンちゃんは「足りない」
甲状腺の病気には、正反対の2つがあります。
- 甲状腺機能亢進症:ホルモンが出すぎる。ネコさんに多い。
- 甲状腺機能低下症:ホルモンが足りない。ワンちゃんに多い。

同じ「甲状腺の病気」でも、アクセルが戻らなくなるネコさんと、アクセルが弱くなるワンちゃんでは、起きることもケアも逆になります。「代謝を上げましょう」「甲状腺を元気に」と一律に言えないのは、このためです。
ネコさんの甲状腺機能亢進症は、1979年に初めて報告された、比較的新しい病気です。それから世界中で増え続け、英国の一次診療の調査では、10歳以上のネコさんの8.7%に見つかっています。今では、高齢のネコさんでもっとも多いホルモンの病気です。
原因の多くは、甲状腺にできた良性のしこりです。しこりが、体の指令とは関係なく勝手にホルモンを作り続けます。寝ているときでさえ、全力で走り続けているような状態が、休みなく続くのです。
3. 見つけ方 ― 「元気で、よく食べるのに痩せる」
この病気のいちばんの特徴は、病気に見えないことです。
米国のガイドラインには、診察室で飼い主さんがよく口にする言葉が並んでいます。
- 「いつもお腹を空かせている」
- 「子猫の頃のように元気」
- 「活発になったから痩せた」
- 「やっとダイエットが効いてきた」
どれも、うれしい変化に聞こえます。けれど、よく食べて、よく動いて、それでも体重が落ちていくなら、それは体が燃え続けているサインです。
ご家庭で気づけること
亢進症のネコさん462頭を調べた研究では、次のような変化が見られました。
- 体重が減る:92%
- 食欲が増える:55%
- 吐く:47%
- 活発になる、落ち着きがない:41%
- 水をよく飲み、おしっこが増える:33%
- 下痢をする、ウンチの量が増える:21%
- 暑さに弱くなる:13%
- 反対に、元気がなくなる:13%
このほかにも、次のような変化があります。
- 被毛がパサつき、ツヤがない
- 呼吸や脈が速い
- 夜に鳴く、目に力が入りすぎているように見える(ご相談の中で、何度も見てきました)
- ごはんの好みが変わった(お魚が好きだった子が急にチキンを欲しがる、などを当店では何度も見てきました)
体重は、月に1度は量ってください。
食欲が落ちるタイプもあります
「よく食べる」とは限りません。逆に食欲が落ち、元気がなくなるタイプもあります。日本の報告では、嘔吐や食欲低下が目立つネコさんが多く見られます。
体重だけでは分かりません
同じ462頭の研究で、見た目に痩せていたのは約3分の1でした。ところが筋肉が落ちていた子は77%にのぼりました。
体型が保たれていても、中身の筋肉は削られています。背骨に沿った背中や腰を、指先でなでて確かめてください。 骨の出っ張りが前より分かるようになっていたら、それが筋肉の落ちたサインです。
4. なぜ、増えたのか
1979年以降のこの増え方は、ネコさんの高齢化だけでは説明できないことが分かっています。けれど、原因はまだ1つに特定されていません。
私たちは、20年以上ご相談をお受けしてきた経験から、いくつかの原因が重なって起きていると考えています。
ヨウ素のばらつき
甲状腺ホルモンは、ヨウ素というミネラルから作られます。
人の甲状腺機能亢進症には、大きく2つのタイプがあります。免疫の働きで甲状腺が刺激され続けるバセドウ病と、甲状腺にしこりができて、勝手にホルモンを作るタイプです。
ヨウ素が足りない地域では、しこりのタイプが多いことが分かっています。ヨーロッパのヨウ素が不足した地域では、しこりのタイプが亢進症の1割から4割台を占めていました。デンマークでは食塩にヨウ素を加えてから長い年月をかけて、亢進症が半分に減りました。減ったのは主に、しこりのタイプでした。一方、海藻をよく食べる日本では、しこりのタイプは亢進症の0.3%以下と、ごくわずかです。
ネコさんの亢進症は、この「しこりのタイプ」によく似ています。 ヨウ素の摂り方が、この病気の背景の1つだと私たちが考えているのは、このためです。
ただし、人でヨウ素を使って症状が落ち着くのはバセドウ病のほうです。しこりのタイプでは、ヨウ素を急に増やすとかえって悪化することがあります。 ネコさんにヨウ素を足せば良くなる、という話ではありません(第10章)。
ペットフードに含まれるヨウ素の量は、同じ品番であっても、ばらつきが出る場合があります。これは製法上避けられないことで、療法食であっても同じです。実際、英国で市販フードを調べた研究では、22%が基準の範囲を外れ、その多くは最低量に届いていませんでした。同じ商品でも、製造ロットによって14〜31%の違いがありました。
ただし、私たちはヨウ素が最大の原因だとは考えていません。
全体の栄養バランスの崩れ
ネコさんは肉食の動物で、お肉やお魚をおいしく感じる体に生まれています。だからこそ、好むままに食べていれば、高タンパク・高脂肪に偏り、ビタミンやミネラルが足りなくなりやすいのです。
高タンパクの食事は、それを使いこなすためのビタミン・ミネラルを大量に消耗させます。カルシウムもその1つです(第6章)。
化学物質
家具や家電の難燃剤、フッ素加工、プラスチックや缶の内側の塗装などに使われる化学物質は、実際にネコさんの体から見つかっています。臭素系難燃剤(PBDE)の血中濃度は、同じ地域に暮らす人の約10〜100倍という報告が複数あります。毛づくろいでほこりを口にするネコさんは、人よりも取り込みやすいのです。
これらの一部は、甲状腺ホルモンとよく似た形をしています。血液の中で甲状腺ホルモンを運ぶタンパク質に、ホルモン本体の10倍もの強さで結合するものがあることが、試験管の実験で分かっています。
化学物質がこの病気の原因だと確かめられたわけではありません。 けれど、全体の栄養バランスの崩れと、化学物質。この2つが大きな理由だと、私たちは考えています。
5. 腎臓・心臓・肝臓は、甲状腺と一緒に見る
甲状腺は、腎臓の弱りを隠します
血液検査でいちばんよく使われる腎臓の数値は、クレアチニン(Cre)です。クレアチニンは、筋肉が動くときに出る老廃物です。腎臓でろ過されて、おしっこに捨てられます。腎臓の働きが落ちると捨てきれずに血液に残るので、数値が上がります。
慢性腎臓病と診断されたネコさんでは、クレアチニンと、もう1つの腎臓の数値であるSDMAで、進み具合を次の4つのステージに分けて見ます(IRIS=国際獣医腎臓病研究グループの基準。体調の落ち着いたときに、くり返し測って判断します)。
| ステージ | クレアチニン(mg/dL) | SDMA(μg/dL) |
|---|---|---|
| 1 | 1.6未満 | 18未満 |
| 2 | 1.6〜2.8 | 18〜25 |
| 3 | 2.9〜5.0 | 26〜38 |
| 4 | 5.0を超える | 38を超える |
クレアチニンには、弱点があります。腎臓の働きがかなり落ちるまで、数値が上がってきません(7割ほど働けなくなった頃、とも言われます)。しかも、筋肉の量に左右されます。もう1つのSDMAは、もっと早い段階で動き、筋肉の量にも左右されにくい検査です。慢性腎臓病になったネコさんをさかのぼって調べた研究では、クレアチニンが基準を超えるより平均17か月早くSDMAが上がっていました(どの子にも当てはまる数字ではない、という意見もあります)。
つまりステージ1は、SDMAでは腎臓の働きの低下をとらえられるのに、クレアチニンはまだ1.6 mg/dL未満で、数値だけを見れば正常に見える段階です。そこへ甲状腺機能亢進症が重なると、クレアチニンはさらに低く出ます。理由は2つです。
- 心臓から送り出される血液が増え、腎臓へ流れる血液も増える。もともと腎臓が傷んでいても、壊れずに残っている部分が、ふだんよりよけいに働かされ、腎臓全体のろ過の量は押し上げられる。その結果、クレアチニンを捨てる量は保たれてしまい、血液の中に残りにくくなる。
- 筋肉が削られるので、クレアチニンのもとになる筋肉そのものが減る。

甲状腺を手術で取ったネコさんたちの研究では、30日後に、腎臓がろ過する量が大きく下がり、クレアチニンの平均は1.26から2.05 mg/dLに上がりました。上の表の数値でいえば、ステージ2にあたる高さです。
腎臓が急に悪くなったのではありません。ホルモンに押し上げられていたろ過の量が元に戻り、もともとの腎臓の力が、そのまま数値に出てきたのです。時間をかけて筋肉が戻ってくると、クレアチニンは、さらに本来の高さに近づきます。治療のあとに、腎臓の数値が基準を超えて上がったネコさんは、12〜16%と報告されています。
「お薬を始めたら、腎臓が悪くなった」。そうお感じになるかもしれません。多くは、もともとあった腎臓の弱りが、見えるようになったのです。ただし、お薬が効きすぎて甲状腺ホルモンが下がりすぎると、腎臓をさらに悪くすることも分かっています(第9章)。
ただし、そのSDMAも、亢進症のネコさんでは当てにならない可能性が指摘されています。腎臓の数値が上がっていない亢進症の子84頭で、SDMAが高かった子は、治療前の7%から、治療6か月後には32%に増えました。
甲状腺機能亢進症は、腎臓と一緒に見ていく病気です。 甲状腺の数値と腎臓の数値は、必ずセットで見てください。腎臓の数値の読み方や、腎臓を支えるごはんについては、「腎臓のために」のページで詳しくお伝えしています。
心臓
ホルモンに急かされ続けた心臓は、脈が速くなり、1回に送り出す血液も増えます。亢進症のネコさんでは、心臓が送り出す血液の量が、健康なネコさんの約1.6倍になっていました。そうして働かされ続けた心臓は、壁が厚くなっていきます。私たちは、これを心肥大の予備群と考えています。
壁の厚みは、甲状腺ホルモンが落ち着くと、多くは元に戻ります。けれど、治療のあとに調べ直した24頭のうち8頭は、変わらないか、かえって進んでいました。壁の厚さが正常に見えても、心臓の組織には傷が残っていたという報告もあります。
口を開けて呼吸している、呼吸が速く苦しそう。そんなときは、心臓の負担で、胸や肺に水がたまっていることがあります。すぐに病院へ。通院できない場合は、ご連絡ください。
血圧
血圧は、病院で測ると高く出やすいことが分かっています。慣れない場所での緊張で上がるためで、人の場合は白衣高血圧と呼ばれます。人でもそうなのですから、怖がりで緊張しやすいネコさんなら当然のことだと、私たちは考えています。
亢進症のネコさん401頭の研究では、診断のときに27%が高血圧と判定されました。けれど、施設によって12%から38%までの開きがあり、緊張しやすいネコさんほど、高く出ていました。甲状腺の治療のあとも、約半数で高い値が続きました。その子たちは、腎臓の数値とも、ホルモンの下がりすぎとも関係がなく、やはり緊張しやすい子に多かったのです。研究者は、その多くを病院での緊張によるものと考えています。
一方で、ネコさんの血圧は年齢とともに上がります。10歳以上のネコさんを、日を改めて測り直した研究でも、少なくとも15%は高いままでした。
つまり、甲状腺の数値が落ち着いていても血圧が高い場合は、甲状腺そのものより、病院での緊張と、シニアという年齢によるところが大きいと考えられます。米国獣医内科学会の指針も、病院の緊張で上がっただけの血圧を、お薬で下げる根拠は無いとしています。
血圧を正しく測るには、静かな部屋で5〜10分慣らし、最初の値を捨てて5〜7回の平均をとり、日を改めて確かめる必要があります。ここまでできる動物病院は多くなく、ご家庭で測る方法も研究の段階です。
だからこそ、シニアのネコさんは、血圧が高めであることを前提に、ごはんと暮らしを整えてください。(降圧剤をおすすめしているわけではありません。)数値を追いかけるより先に、血液と血管に負担をかけない体をつくっていくことが大切です。
急に物にぶつかる、瞳孔が開いたまま、目の中が赤い。ふらつく、首が傾く、発作を起こす。こうした症状は、血圧が高い場合にも見られます。軽ければ、お家で様子を見ながら対処していただくこともありますが、急な発作などの場合は、ほかの原因が関係していることもあります。ネコさんの負担が大きいと感じられる場合は、かかりつけの先生にご相談ください。
肝臓
亢進症のネコさんでは、血液検査で肝臓の数値が上がる子が多く見られます。462頭の研究では、ALTが57%、ALPが23%、ASTが11%の子で、基準を超えていました。
3つの数値は、出どころがそれぞれ違います。
- ALT:主に、肝臓の細胞の中にある酵素。肝臓の細胞に負担がかかると、血液に出てくる。
- ALP:肝臓のほか、骨からも出る酵素。亢進症では骨の作り替えが速くなり、骨から出たALPが混ざる。
- AST:肝臓のほか、筋肉や赤血球にもある酵素。肝臓だけの数値ではない。
そのため、肝臓の話ではALTとALPが中心になります。
なぜ上がるのでしょうか。甲状腺ホルモンが多いと、体じゅうの代謝が上がり、肝臓は休みなく働かされます。酸素をたくさん使うのに、肝臓に届く酸素が追いつかない。ホルモンそのものが、肝臓の細胞に負担をかける。食べても足りずに、体の脂肪や筋肉を分解して使う。こうしたことが重なって起きると考えられていますが、ネコさんで、どれが主な理由かは、まだ確かめられていません。
多くは、甲状腺が落ち着けば戻ります。治療がうまくいった217頭では、全頭で肝臓の数値が基準の範囲に戻りました。甲状腺が落ち着いても戻らないときは、お薬の副作用や、肝臓そのものの病気を考える必要があります(第8章)。
6. 副甲状腺も、一緒に見てください
甲状腺のすぐそばにある副甲状腺は、副甲状腺ホルモン(パラトルモン)を出して、血液中のカルシウムを一定に保つ役目をしています。
血液中のカルシウムが下がると、パラトルモンが増えて、次のように働きます。
- 骨からカルシウムを溶かし出す。
- 腎臓で、カルシウムを捨てずに取り戻す(リンは捨てる)。
- ビタミンDを働く形に変え、腸からカルシウムを吸収しやすくする。
カルシウムが戻れば、パラトルモンは減ります。
パラトルモンが高いのに、カルシウムは低い
亢進症のネコさんでは、パラトルモンが高いのに、血液中のカルシウムはやや低い、という組み合わせが見られます。30頭の研究では、パラトルモンが基準を超えていた子が77%(高い子では基準の上限の19倍)。207頭の研究でも、パラトルモンが高く、カルシウムが低く、リンが高い、という同じ傾向でした。
逆向きに見えますが、矛盾ではありません。パラトルモンが高いからカルシウムが低いのではなく、カルシウムが下がる方向に引っぱられている体が、パラトルモンを増やして取り戻そうとしているのです。窓が開いたままの部屋では、暖房を全開にしても暖まりきらないのと同じです。
なぜカルシウムが下がる方向に傾くのかは、まだはっきりしていません。甲状腺ホルモンの多さや、リンの多さが関わっている可能性が示されている段階です。腎臓の病気のない子では、甲状腺の治療で落ち着くと、パラトルモンもカルシウムもリンも、元に戻ったと報告されています。
なお、一般的な血液検査の「カルシウム」(総カルシウム)では、この変化はほとんど見えません。36頭の研究では、総カルシウムは全頭が基準の範囲でしたが、実際に働いているイオン化カルシウムは半数で低くなっていました。
カルシウムが高いまま、下がらない子
一方で、血液中のカルシウムが高いまま下がらないネコさんもいらっしゃいます。亢進症だけでカルシウムが高くなることは考えにくく、ほかの原因が重なっていることが多いのです。
- 腎臓の病気
- 原因の分からない高カルシウム血症(ごはんを変えても下がりにくい)
- 腫瘍
- ビタミンDのとりすぎ
- 副甲状腺そのものの腫瘍(多くは良性。パラトルモンが勝手に出続け、カルシウムが上がる)
甲状腺と副甲状腺は、すぐ隣り合っています。数は少ないものの、甲状腺の腫瘍と副甲状腺の腫瘍が、同じネコさんで同時に見つかった報告もあります。どこから来ている高さなのかは、イオン化カルシウムとパラトルモンを一緒に測ると、見当がつきやすくなります。
パラトルモンは、かかりつけの動物病院で測れます
パラトルモン(intact PTH)は、大学病院でなければ測れない特別な検査ではありません。かかりつけの動物病院で採血していただき、検査会社に外注する形で測れます。ネコさん・ワンちゃんの項目として受託されていて、検査会社に検体が届いてから即日〜数日で結果が出ます。
ただし、お願いするときに知っておいていただきたいことが2つあります。
- 検査会社によって基準範囲が違う。ネコさんで「3.1〜19.8 pg/mL」「1.6〜10.1 pg/mL」と、2倍近く違う。測る方法が違うため、ほかの検査会社の結果や、以前の値と単純には比べられない。
- イオン化カルシウムは、扱いが逆。パラトルモンの検体は凍らせて送るが、イオン化カルシウムは空気に触れると低く出るため、空気に触れないように採って、速やかに測る。院内の機械で測るか、この扱いに対応できる検査会社に頼むことになる。
ごはんのカルシウム不足が、パラトルモンを出し続けさせます
食事からのカルシウムが足りなかったり、リンに比べて少なすぎたりすると、副甲状腺はカルシウムを補うために、パラトルモンを出し続けます。成長期の子猫が、お肉やお魚だけのごはんを続けると、パラトルモンが大きく上がって骨がもろくなってしまうことは、よく知られています。お肉やお魚は、リンが多く、カルシウムが少ない食べ物だからです。
高タンパクに偏ったごはんが心配なのは、ここにもつながります(第4章)。
カルシウムパラドックス
カルシウムの不足が続くと、パラトルモンが出続け、骨からカルシウムが溶かし出されます。骨はカルシウムとリンでできているので、リンも一緒に溶け出します。その結果、骨はやせていくのに、溶け出したカルシウムは、血管の壁や細胞の中など、本来あってはいけない場所にたまっていきます。
足りないはずのカルシウムが、体の中ではかえって溢れてしまう。この逆説を、藤田拓男氏はカルシウムパラドックスと呼びました。
パラトルモンには、もう1つの働きがあります。細胞の中へカルシウムが入るのを助けるのです。実験では、パラトルモンが心臓の筋肉の細胞などにカルシウムを入りやすくすることが示されています。腎臓が悪いときには、一部の細胞で、カルシウムを外へ出す働きが落ちることも報告されています。人では、透析を受けている方の白血球で細胞の中のカルシウムが高く、カルシウムの通り道をふさぐお薬で元に戻りました。腎臓が悪いラットでは、副甲状腺を取ると、心臓の筋肉にカルシウムがたまるのが抑えられました。血液の中のカルシウムは足りないのに、細胞の中はカルシウムで溢れていく。血液の検査だけでは、この消耗は見えません。
甲状腺の病気のネコさんに、このカルシウムパラドックスを併発している子が少なからずいらっしゃることを、私たちはご相談の中で見てきました。 甲状腺だけでなく副甲状腺も一緒に見ていただきたいとお伝えしているのは、このためです。
だからこそ、カルシウムとマグネシウムは欠かせません。カルシウムは単独ではなく、マグネシウムなどと一緒に、本来の働きを発揮できる形で摂ることが大切です。亢進症のネコさんでは、マグネシウムの値がT4と逆の動きをする(ホルモンが高いほど低い)という報告もあります。この報告は、カルシウムの消耗と一緒に、マグネシウムの消耗も起きていることを示しています。カルシウムもマグネシウムも、消耗しやすいミネラルなのです。
カルシウムパラドックスのしくみは、図とあわせて「腎臓のために」のページでもお伝えしています。
7. 検査の数値の読み方
数値の意味を知っておくと、説明を受けたときに、ご自身で判断する材料になります。

T4(総T4)
もっとも基本の検査です。チロブロック錠の添付文書では、基準範囲を0.5〜4.0 μg/dLとしています。高ければ、亢進症を強く疑います。院内に機械のある動物病院なら、その場で10〜15分ほどで結果が出ます。ただし、基準範囲は検査会社や機械によって少しずつ違います。変化を追うなら、同じところで測り続けるほうが読み取れます。
ただし、T4が基準範囲に収まっていても、亢進症のことがあります。亢進症のネコさんの約10%、初期の子では約40%が基準範囲の中に収まっていて、その多くは基準範囲の上のほうでした。
逆に、ほかの重い病気があると、T4は下がります。腎臓病などを抱えていると、亢進症があっても隠れてしまうことがあるのです。
FT4(遊離T4)
T4のうち、たんぱく質とくっついていない「働ける分」だけを見る検査です。院内の機械では測れませんが、国内の主な検査会社が、ネコさん・ワンちゃんとも受け付けています。外注になるので、結果まで一般には2〜3日ほどかかります。使いどころは、症状があるのに、T4が基準範囲に収まっているときです。ただし、FT4だけで決めることはできません。亢進症でない病気の子でも高く出ることがあるからです(最大20%と言われます)。T4が基準範囲の上のほうにあり、かつFT4も高い。この組み合わせで、はじめて意味を持ちます。
TSH(甲状腺刺激ホルモン)
脳から甲状腺に「もっと出して」と指示を送るホルモンです。人やワンちゃんでは診断の主役ですが、ネコさん専用の検査は一般にはなく、ワンちゃん用の検査を借りて測っています。借り物では、ネコさんのTSHを十分に拾えません。測れる下限も高いため、健康なネコさんでも3割ほどが「検出できず」になってしまいます。ですから、TSHだけで亢進症を見つけることはできません(T4やFT4と組み合わせれば、判断の助けにはなります)。主に役に立つのは、治療のあと、お薬が効きすぎていないかを見るときです。T4が下がりすぎると、TSHが上がってきます。「腎臓の数値が悪いのは、腎臓のせいか、お薬が効きすぎているせいか」を見分ける手がかりになります。なお、院内の機械では、ネコさんのTSHは測れません。外注になりますが、検査会社によっては、ネコさんの項目として用意されていないことがあります。「うちでは出せません」と言われても、手抜きではなく、そういう事情があるのです。
1度の検査で決めない
米国のガイドラインも、症状と数値が合わないときや、症状が無いのに健康診断でT4が高かったときは、2〜4週後に測り直すよう勧めています。
当店では、同じ結果が2〜3回続いたときに、はじめて確定と考えてくださいとお伝えしてきました。体調・季節・空気の状態でT4が安定しない子を、ご相談の中で数多く見てきたからです(第9章・第13章)。
腎臓の数値と、肝臓の数値
どちらも、甲状腺の数値と必ずセットで見てください。クレアチニンの基準とステージ、実際より軽く出るしくみ、肝臓の3つの数値の違いは、第5章にまとめました。
糖尿病を併発しているとき
血糖の平均を見るフルクトサミンは、亢進症があると低く出ます。糖尿病のコントロールが悪くても、正常に見えてしまうことがあります。
8. お薬のこと
はじめに、名前を整理します
甲状腺機能亢進症のお薬の成分は、チアマゾールです。海外ではメチマゾールと呼ばれますが、同じ成分です。
この成分の錠剤(製剤)には、次の2つがあります。
- チロブロック錠:ネコさん用の動物用医薬品
- メルカゾール錠:人用の医薬品
このページでは、成分の働きの話は「チアマゾール」、商品の話は「チロブロック錠」「メルカゾール錠」と書き分けます。
チアマゾールの働き
甲状腺ホルモンを作る酵素を止めて、ホルモンの量を減らします。しこりそのものを小さくするお薬ではないので、やめればホルモンはまた増えます。飲み始めてから、T4が下がって体調が良くなるまでに、2〜4週かかります。
チロブロック錠は、何が変わったのか
日本では長いあいだ、人用のメルカゾール錠を割って、ネコさんに使ってきました。けれど、硬い錠剤を均等に割るのは難しく、1回ごとの量がばらつき、効き目が安定しないことが、いちばんの問題でした。
そこで2020年12月、ネコさん用のチロブロック錠が承認され、2021年1月に発売されました。承認された規格は1.25mg・2.5mg・3.75mgの3種類で、割らずに量を合わせられます。
変わったのは、1回の量が安定したことです。 中身は、これまでと同じチアマゾールです。添付文書に書かれている副作用も、これまでチアマゾールで知られてきたものと同じです。
副作用
チロブロック錠の添付文書に書かれている副作用を、すべて挙げます。国内の調査では、5頭に1頭(20.2%)に副作用が見られました。
- 多く見られたもの:下痢・軟便、嘔吐、便秘。肝臓の数値(γ-GTP・AST・ALT)の上昇
- ときに見られるもの:腎臓の数値の悪化(尿素窒素やクレアチニンが上がる、リンやナトリウムが下がる)。頭や顔のかゆみと掻き傷、むくみ。食欲不振
- まれに見られるもの:赤血球・白血球・血小板などが減る、血液の変化(お薬に対する免疫の反応による)。脱毛、皮膚のただれ
- どのくらい起きるか分かっていないもの:元気がない、無気力、いつもと違う鳴き声、体重が減る、血が止まりにくくなる、貧血、心臓への影響(LDHの上昇)、骨への影響(ALPの低下)
内訳でいちばん多いのは消化器の症状(11%)、次が肝臓の数値(6.9%)です。肝臓の数値を悪くする子は、少なからずいらっしゃいます。
米国のネコさん262頭の研究では、何らかの副作用が18.3%、白血球や血小板が大きく減る重い血液の副作用が3.8%に見られました。副作用は、飲み始めてから3か月以内に出るとされています(添付文書)。
国内で報告された副作用(2026年9月時点で21件)を見ると、お薬との関係があると判断されたのは、飲み始めて14〜98日のあいだの、血液の細胞の減少・顔のかゆみ・消化器の症状・腎臓の数値の悪化でした。なお、国内でどれだけのネコさんが飲んでいるかは公表されていないため、報告の件数から「何%に起きる」とは申し上げられません。
副作用のほかに、添付文書が注意していること
- 血小板が減っていなくても、血が止まりにくくなることがある。
- 長く、多く飲むほど、抗核抗体(自分の体に向かう抗体)が上がったという報告がある。
- 飲ませすぎると、甲状腺が腫れたり、ホルモンが足りなくなったりする。
- オスでは、精巣の成熟が遅れたという報告がある。
- 次のネコさんには使わない:チアマゾールでアレルギーを起こしたことがある/貧血や白血球・血小板の減少など血液の病気、血が固まりにくい病気がある/自己免疫の病気がある/腎臓や肝臓に重い病気がある/妊娠中・授乳中・繁殖の予定がある。
腎臓の数値が上がってくるのは、なぜか
添付文書は、飲み始める前に、腎臓の病気が表に出てくる可能性を飼い主さんに説明し、同意を得るよう求めています。
お薬でホルモンが下がると、押し上げられていた腎臓のろ過の量が元に戻ります。すると、それまで低く出ていたクレアチニンが、もともとの腎臓の力に見合った高さで出てきます。削られていた筋肉が時間をかけて戻れば、数値はさらに本来の高さに近づきます。第5章の表でいえば、ステージ1の数値だった子が、ステージ2にあたる数値になる、ということが起こりえます。腎臓の数値の大きな変化は、治療を始めてからおよそ4週以内に起こります。この時期は特に、腎臓の数値を一緒に見てください。
チアマゾールは、腎臓と肝臓の数値を一緒に見ながら使うお薬です。
検査の間隔
チロブロック錠を安全に使うため、添付文書では次の間隔で検査を行うことが定められています。
- 飲み始めから3か月まで:2〜4週間ごと
- 3か月を過ぎてから:2〜3か月ごと
また、検査ではT4(甲状腺ホルモン)だけでなく、次の項目も確認します。
- 赤血球・白血球・血小板(血を止めるための部品)などの血球数
- 肝臓や腎臓の数値
- 血液の固まりやすさを調べる凝固検査(PT・APTTなど)
添付文書には、血小板が減っていなくても出血しやすくなる可能性が記載されています。そのため、血小板数だけで判断せず、凝固検査もあわせて行うことが大切です。
お薬を飲み始めてから、こんなときは急いでください
添付文書は、飲ませている間に、下痢・軟便・嘔吐・便秘、皮膚の傷やむくみ、頭や顔を痒がる、元気がない、いつもと違う鳴き声、痩せる、出血、歯ぐきが白い、といった様子があれば、続けてよいか確かめるよう求めています。
なかでも、次のようなときは、血液の細胞が減っている、肝臓が傷んでいる、といった重い副作用の可能性があります。
- 急に元気や食欲がなくなった
- 急に具合が悪くなり、熱がある
- 歯ぐきや皮膚に出血の跡がある、血が止まりにくい、歯ぐきが白い
- 白目や耳の内側が黄色い
- 顔や首を激しく掻き壊す
こうした症状が出たときは、かかりつけの先生と減薬の相談をなさってください。
一緒に使うお薬に、気をつけてください
チアマゾールは、ほかのお薬と影響し合います。添付文書に書かれているものを、ネコさんで使われる場面とあわせて挙げます。
- ワルファリン(血栓を防ぐお薬):甲状腺が落ち着くと、ワルファリンの効きが弱まり、量を増やす必要が出ることがある。一方で、チアマゾール自体にも血を固まりにくくする働きがあり、血を固まりにくくするお薬と重なると、出血に注意が要る。
- ジゴキシン(心臓のお薬)、β遮断薬(アテノロールなど、脈を落ち着かせるお薬)、テオフィリン(喘息のお薬):甲状腺が落ち着くと、これらのお薬が効きすぎるようになり、量を減らす必要が出ることがある。
- フェノバルビタール(てんかんのお薬):チアマゾールの分解を速め、チアマゾールの効きを弱めるおそれがある。
- フェンベンダゾール、アルベンダゾールなどの虫下し:チアマゾールが虫下しの分解を遅らせ、虫下しの血液中の濃度が上がるおそれがある。
- 肝臓の同じ酵素で分解されるお薬:抗菌薬のエンロフロキサシン(バイトリル)・オルビフロキサシン(ビクタス)・エリスロマイシン・トリメトプリム、皮膚炎のお薬シクロスポリン(アトピカ)、心臓のお薬ピモベンダン・カルベジロール、血圧のお薬アムロジピン(アモディップ)・ジルチアゼムなど。分解する酵素を取り合うため、チアマゾールか相手のお薬の、どちらかの血液中の濃度が上がるおそれがある。
- 空腹で飲ませると、チアマゾールの血液中の濃度が上がりやすい。ごはんと飲ませる順番を、毎日そろえる。
- 英国の説明書では、チアマゾールが免疫に働くため、ワクチンの予定にも配慮するよう書かれている。
転院の際は、現在、過去に処方されているお薬情報をお伝えください。
ご家族と、同居のネコさん・ワンちゃんのために
チアマゾールは、人で、おなかの赤ちゃんへの影響や、母乳への移行が報告されています。チロブロック錠がコーティングされていて、割ったり砕いたりしてはいけないのは、このためです。
- 妊娠中・授乳中の方、妊娠の可能性がある方は、できるだけ、お薬や、飲んでいるネコさんのおしっこ・ウンチ・吐いたもの・猫砂を扱わない。ほかの方にお願いできないときは、手袋を使う。
- どなたも、お薬や猫砂を扱ったあとは、石けんで手を洗う。
- お子さんの手の届かないところに保管する。
同居のネコさんやワンちゃんにも、気をつけてあげてください。お薬を飲んでいるネコさんのおしっこには、血液中のいちばん高いときの数倍の濃さで、チアマゾールが出ていました。飲み薬で、同居の動物への影響を調べた研究はまだありません。けれど塗り薬では、塗った場所を毛づくろいでなめた同居のネコさんの体に、治療中の子と同じくらいのチアマゾールが入り、T4が下がったことが確かめられています。
いちばん起こりやすいのは、錠剤や、吐き出した錠剤、お薬を混ぜたごはんを、ほかの子が食べてしまうことです。
- お薬を混ぜたごはんは、ほかの子に近づけない。食べ終わるまで、そばで見守る。
- 吐いたものは、すぐに片付ける。
- 錠剤は、飲ませる直前までシートから出さない。シートは、誤って飲み込まれないように捨てる。
塗るタイプのお薬は、日本にはありません
海外には、耳の内側に塗るタイプのチアマゾールがあります。お口を開けさせずに済むので、飲ませるのが難しい子のために、海外から取り寄せようとお考えになる方もいらっしゃいます。
けれど、塗り薬は、効き始めが遅いだけでなく、同じ量では効き目が弱く、長く使うと安定しません。
- 飲み薬と塗り薬を比べた研究では、2週間でT4が基準の範囲に入った子は、飲み薬で88%、塗り薬で56%。
- 同じ量を1回使ったとき、体に吸収された量は、飲み薬の約4分の1(11% 対 40%)。6頭のうち4頭では、血液から薬が検出されなかった。
- 長く使った研究では、T4が上にも下にも外れやすく、量も増えていった。
ヨーロッパでは、首の後ろに塗るタイプの製品が審査を受けましたが、効き目が不十分と評価され、2014年に申請が取り下げられました。同居のネコさんが毛づくろいで薬を取り込むこと、なでた人(とくに妊娠中の方)が触れてしまうことも、問題にされました。
海外から取り寄せる前に、知っておいてください
- 動物用のお薬を海外から取り寄せるには、そのたびに、農林水産省の「輸入確認」の手続きが要る。手続きをせずに取り寄せるのは違法で、税関で止められる。
- チアマゾールは、獣医さんの処方箋や指示が必要なお薬。処方箋か指示書の写しが無ければ、手続きそのものができない。
- 「6個以下なら手続き不要」は、獣医さんが自分の診療のために取り寄せる場合だけの話。飼い主さんには当てはまらない。
- 人用の製品でも、ネコさんに使う目的なら、人が自分で使うための特例は当てはまらない。
- 海外から届く薬に、偽物や、成分の量が表示と違うものが混ざっていても、見た目では分からない。農林水産省は、業者が渡した証明書まで偽物だった例を確認している。
- 何かあっても、輸入の代行業者は責任を負わず、国内に責任を取る製造販売業者もいない。
お薬を飲ませるのが難しいときは、ごはんとの合わせ方や飲ませ方を、一緒に考えます。どうぞご相談ください。
手術
甲状腺のしこりを取る手術もあります。けれど、どこの動物病院でも受けられる、一般的な手術ではありません。
- 高齢で、心臓や腎臓に負担を抱えた子に、全身麻酔をかけて首を開く。
- 手術の前にお薬でホルモンを下げ、心臓や腎臓を調べてから行う。
- 甲状腺の表面や内側にある、米粒ほどの副甲状腺を守りながら、甲状腺を取り残さずに取る。副甲状腺が傷つくと血液中のカルシウムが下がるため、手術のあとはカルシウムの値を何度も測る。低カルシウムになった割合は、術式や数え方によって6〜82%と大きく違う。
- 両側を取るときは、1か月ほどあけて2回に分けることもある。
- 声のかすれ、甲状腺ホルモンが足りなくなる、隠れていた腎臓の病気が表に出る、といった合併症もある。
再発もあります。 甲状腺の組織は、首だけでなく、胸の中などにもあることがあり、首の手術では取りきれません。オランダの専門施設で手術した101頭では、再発した5頭のうち4頭が、手術の前の検査で首以外に組織が見つかっていた子でした。この組織を手術の前に探す検査(シンチグラフィ)は、日本ではほとんど受けられません。
成績は、手術する獣医さんの経験に大きく左右されます。専門施設では再発が約5%だった一方、英国の一般の動物病院で両側を取った81頭では、半年以内に22%で亢進症が続くか再発し、長く追跡できた23頭では9頭が再発していました。取り残さず、副甲状腺を守り、再発させない。その成績を出せる施設は限られています。
人では、手術のときに腫瘍の組織が周りに付き、何年も後に、首の別の場所でホルモンを出し始めた例が、まれに報告されています。ネコさんでは、調べた範囲で、こうした報告は見当たりませんでした。
日本の動物病院の41頭の報告では、手術を受けた子のほうが生存期間が長かった一方、手術を選んだ子に偏りがあった可能性もあると、研究者自身が書いています。
放射性ヨウ素
欧米では、放射性ヨウ素を注射して、しこりを壊す治療が広く行われています。1回で95%以上が治るとされ、全身麻酔は必要ありません(施設によって、注射のときに鎮静を使うことはあります)。治療のあとは数日から数週間入院し、退院後もしばらく、おしっこやウンチ、猫砂の扱いに注意が要ります。
けれど、日本では、この治療は行われていません。大学病院でも、行っているという情報は見当たりません。理由は、主に法律です。放射性の薬を使った動物を、病院から家に帰してよい基準が国の告示で決められていますが、そこに載っているのは検査用の物質だけで、治療に使う放射性ヨウ素(I-131)は載っていません。動物用に承認された、治療用の放射性医薬品もありません。そのうえ、放射線を遮る部屋、排水や排気の設備、放射性の排泄物を処理する仕組みなど、大がかりな設備が要ります。2015年の時点で、動物の核医学検査ができる施設は、国内に2か所だけでした。
9. お薬は「正常値に」ではなく、「体が保てる、いちばん少ない量で」
甲状腺のお薬で、何を目指すのか。ここを正確にお伝えします。
天秤にかけているのは、3つです
1. 甲状腺ホルモンが高いままの負担
- 心臓:脈が速くなり、送り出す血液が増え、壁が厚くなっていく。
- 筋肉:体のタンパク質が、作られるより速く分解され、削られていく。
- 腎臓:ろ過の量を押し上げられ、休みなく働かされる。軽い亢進症でも、放っておけば腎臓を悪くすることが分かっている。
- 肝臓:代謝に追われ、酸素も栄養も追いつかず、数値が上がる。
- 腸:食べ物が通り過ぎる時間が約半分になり、吸収しきれない。
- 肺:呼吸が速くなり、休まらない。
- 骨と副甲状腺:骨の作り替えが速くなり、パラトルモンが出続ける。
2. 甲状腺ホルモンを下げすぎる負担
お薬が効きすぎてホルモンが足りなくなると、代謝のアクセルが緩みすぎます。影響は腎臓だけではありません。
- 腎臓:心臓が送り出す血液が減り、腎臓に流れる血液とろ過の量が下がる。治療でホルモンが足りなくなった28頭では16頭で、ホルモンが足りている47頭では14頭で、腎臓の数値が上がった。ホルモンが足りなくなった子のうち、腎臓の数値が上がった子の生存期間は456日で、上がらなかった子の905日の約半分だった。
- 元気がなくなる、体温が下がって寒がる:熱を作り、代謝を回す力が落ちる。
- 体重が増える:使うエネルギーが減る。
- 被毛がぼさぼさになる、抜け毛やフケが増える:皮膚と毛の根元の働きが落ちる。
- 脈がゆっくりになる:心臓を打つ速さと力が落ちる。
- 便秘:腸の動きが落ちる。
- 貧血:赤血球を作る働きが落ちる。
- コレステロールが上がる、糖尿病が悪化する:脂肪や糖を処理する働きが落ちる。
これらは、ホルモンが足りないネコさんで見られた変化で、しくみの多くは人で調べられてきたものです。お薬によるホルモン不足は、はっきりした症状が出ないまま進むことも多いため、症状が無いから大丈夫、とは申し上げられません。
3. お薬そのものの負担
- 下痢・軟便、嘔吐、便秘、食欲不振
- 肝臓の数値の上昇
- 腎臓の数値の悪化
- 頭や顔のかゆみと掻き傷
- 血液の細胞が減る、血が止まりにくくなる、貧血
- 元気がない、いつもと違う鳴き声、体重が減る
- 抗核抗体が上がる
(副作用と注意事項のくわしい内容は、第8章にまとめました)
つまり、「数値を基準値の真ん中に」でも「下げれば下げるほど良い」でもありません。
目指すところ
症状と体重・食欲が落ち着き、腎臓の数値が悪くならず、肝臓や血液に副作用が出ていない。その状態を保てる、いちばん少ない量です。
標準医療のガイドラインは、T4を基準範囲の下半分に、ただしTSHが上がらないところを目安にしています。けれど、基準範囲の中でどのあたりを目指すかは、腎臓の状態によって変わります。だからこそ、甲状腺の数値だけを見て量を決めることはできません。
T4は、上にも下にも動きます
T4の数値は、病気の進み具合だけで動くわけではありません。体調、季節、空気の状態で数値が安定しない子を、私たちはご相談の中で数多く見てきました。
気をつけていただきたいのは、数値が下がったときです。いつもと同じ量のお薬でも、T4が下がったときには「効きすぎ」になります。元気がなくなる、食欲が落ちる、腎臓の数値が上がる。そうした変化は、お薬の量が合わなくなったサインかもしれません。
逆に、数値が上がったからといってすぐに量を増やすと、数値が戻ったときに効きすぎてしまいます。量を変える前に、なぜ動いたのかを考えて、お家でできる対処方法を先に取り入れてください。
決めるのは、飼い主さんです
どの量で、どこを目指すか。お薬を続けるか、手術を考えるか。獣医さんは「できること」「できないこと」をお伝えくださいます。決めるのは、飼い主さんです。
10. ヨウ素の話 ― 足りなくても、多すぎても
ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料です。けれど、多ければ良いというものではありません。
ネコさんでも、食事のヨウ素の量を変えると、数週間で甲状腺ホルモンの値が逆向きに動くことが確かめられています。足りなくても、多すぎても、甲状腺は乱れるのです。亢進症の子たちの場合は、摂る量を減らすほうが良いのですが、ゼロを目指してはいけません。また、ヨウ素の量を減らせば亢進症にならない、という証明もありません。

海藻やサプリメント
亢進症の子に、ヨウ素の多いもの(海藻やヨウ素を含むサプリメント)を新しく足すことは、お勧めしません。すでに使っているものがあれば、ご自身の判断で急にやめず、ご相談ください。
ヨウ素を制限したごはんについて
甲状腺機能亢進症には、ヨウ素を制限した療法食があります。
こうしたごはんの特徴は、
- ヨウ素を、成猫が必要とする量より少なくなるよう設計している。
- 甲状腺の数値は下がる場合がありますが、やめると、また上がることもあります。
- 効果を保つには、ほかのごはん、おやつ、サプリメントを一緒に与えてはならない、とされています。
とは言え、亢進症のネコさんが何年も続けたときの安全性は、まだ確かめられていません。甲状腺対応食だけが、優秀な原材料に変更されているとも考えられません。
ヨウ素は、ほかの栄養素と切り離して摂ることができません。走り続けている体には、ビタミン・ミネラルをはじめ、たくさんの栄養が必要です(第11章)。
獣医さんはきっと「療法食だけ」をおっしゃるでしょうけれど、腎機能が低下すれば、今度は腎臓対応のごはんを勧められます。こうしたことを知ったうえで、私たちは目の前の子が望むごはんを選ばなくてはなりません。お迷いの際は一緒に考えましょう。ご遠慮なくお声がけください。
11. ごはんの組み立て
24時間、走り続けている体です
甲状腺ホルモンは、体じゅうの細胞に「もっと速く働け」と伝え続けます。亢進症のネコさんの体の中では、こんなことが起きています。
- 心臓は、脈を速め、健康なときの約1.6倍の血液を送り出している。
- 肺は、呼吸を速めて、酸素を取り込み続けている。
- 肝臓は、T4を働く形のT3に作り替え、栄養をエネルギーに変え続けている。
- 腎臓は、押し上げられた量の血液を、ろ過し続けている。
- 筋肉は、作られるより速く分解され、エネルギーとして使われている。
- 腸は、食べ物を、約半分の時間で通り過ぎさせてしまう。
- 骨は、作り替えが速くなり、カルシウムの出入りが激しくなっている。
眠っているあいだも、このアクセルは緩みません。使うエネルギーが増えれば、それを燃やすためのビタミン・ミネラルも、それだけ多く必要になります。
ごはんの量を増やすだけでは、足りません
AAFCO栄養基準に準拠した総合栄養食は、健康なネコさんが不足しないための最低限の目安として作られています。しかも、加熱や加工で、熱に弱いビタミン(B1など)が失われやすい。健康なネコさんでも、それだけでは不十分です。
当店では、亢進症のネコさんには健康なときの1.5〜2倍の栄養が必要とお伝えしてきました。けれど、同じごはんを1.5〜2倍に増やせば良い、という意味ではありません。
- 量を増やしても、中身の割合は変わらない。燃やすものが増えたぶん、燃やすための道具であるビタミン・ミネラルは、一層足りなくなる。
- タンパク質や脂肪、リンは、増やした量のぶんだけ入ってくる。それを使いこなし、処理する肝臓や腎臓の負担が、さらに重なる。
- 腸を通り過ぎる時間は、短いまま。増やしたぶん、消化しきれずに出ていく。
痩せてきたからと、お口に嬉しいタンパク質や脂肪に比重を置いてカロリーを上げると、同じことが、もっと強く起こります。タンパク質や脂肪は、それを使いこなすビタミン・ミネラル・消化酵素がそろって、はじめて体の役に立つのです。
消化を助ける
亢進症のネコさんでは、食べ物が口から大腸の入り口まで届く時間が、健康なネコさんの約半分でした(53分 対 98分)。消化と吸収が追いつかないまま、食べ物が腸を通り過ぎていきます。その結果、次のようなことが起こります。
- 食べた栄養が吸収されずに、ウンチと一緒に出ていく。ウンチの量が多い子では、ウンチの中の脂肪が基準の2〜15倍になっていた。
- 吸収できないぶん、さらに食べる。食べるほど、腸と肝臓の仕事が増える。
- 消化しきれなかったタンパク質は、腸の中で腐敗し、下痢や軟便、においの強いウンチの原因になる。腐敗でできたものを処理するのも、肝臓。
だからこそ、限られた時間の中で消化を進める、消化酵素を上手に使い、消化しやすいごはんに整えてください。
消化の良い炭水化物や食物繊維も大切です。腸内細菌を育て、ウンチがふっくらツヤツヤになるよう、量を調整してください。
失いやすい栄養
- おしっこの量が増えるので、水に溶ける栄養素が流れ出やすい。
- 亢進症のネコさんでは、ビタミンB12が低い子がいる(1〜4割の子たちという研究結果があります)。
- カルシウムとマグネシウム(第6章)
筋肉は、治療のあとも戻りにくい
甲状腺の治療で体重や体型は戻っても、約45%の子で筋肉の減少が残ったと報告されています。言いかえれば、治療のあとに調べたとき、残る55%の子には、筋肉の減少が残っていませんでした。だからこそ、私たちはお伝えしたいのです。数値が落ち着いてからが、体を作り直す時間です。
12. 水のこと
シニア世代の病気で、すでに脱水ぎみのお年頃です。そのうえ亢進症のネコさんは、おしっこの量が増え、水をよく飲んでいても、体の水分が足りなくなりがちです。
しかも、クレアチニンは実際より軽く出ます(第5章)。数値が「大丈夫」でも、腎臓には負担がかかっていることがあります。
当店では、甲状腺機能亢進症の子には、腎臓の数値がまだ正常でも、皮下輸液が必要と考えています。量と回数は、血圧や体の状態に合わせて決めます。これは、健康な腎臓の細胞が少しでも多いこの時期から、体の中にある悪いものを、少しでも多く出しておきたい、という考え方でもあります。
口から飲むお水と、皮下輸液は同じではありません。詳しくは「重い食欲不振のために」のページでお伝えしています。
丸1日ほとんど食べない、水も飲まない、吐き続ける。おしっこの量が減る。これは、さらに辛い症状が出はじめるサインです。つまり、皮下輸液が必要なタイミングです。初めての方は、かかりつけの先生とご相談ください。
13. 暮らしの中の見直し
第4章でお伝えした化学物質は、毎日の暮らしの中にあります。
甲状腺の病気との直接の関わりが、まだ確かめられていないものもあります。けれど、体に入った化学物質を処理するのは、甲状腺の病気で休みなく働いている肝臓と腎臓です。食欲が落ちる、吐く、下痢や軟便が続く。体はそうした形で、負担を知らせてきます。からだは1つです。 甲状腺だけを切り離して考えることはできません。

化学物質を減らせば亢進症を防ぐことができる、と確かめた研究はありません。けれども、本来、体の中にあってはいけない物質ですから、炎症の元になるのは確かです。化学物質を減らすことは、肝臓や腎臓だけでなく、肺や心臓、胃腸への負担も減らし、全身の炎症を軽くすることにつながります。
ほこり
難燃剤は、ほこりに多く含まれています。ネコさんは、毛づくろいでそれを口にします。ほこりは、こまめに取り除いてください。
フードの容器
缶の内側には、さびを防ぐ塗装がしてあります。その塗装から、ビスフェノールA(BPA)という物質が、中身に移ることがあります。
人の食品用の缶では、日本の業界が1990年代の終わりから対策を進め、大きく減りました。ただ、ゼロになったわけではありません。ネコさんのごはんでも、2022年のヨーロッパの調べで、缶が、トレーやパウチ、ドライフードより高い結果でした。缶のごはんを食べているネコさんは、血液中のBPAが高かったという報告もあります。
ヨーロッパでは2025年から、人の食品に触れる容器でBPAを原則として禁止する規則が適用されています(容器の種類によって移行期間があります)。けれど、ペットフードの容器は対象外です。日本のペットフードの法律にも、BPAの基準はありません。また、「BPA不使用」とあっても、よく似たBPSなどが使われていることがあり、実際にネコさんやワンちゃんのおしっこからも見つかっています。
だからといって、お気に入りのごはんを取り上げることは、病気を抱える子にとっても、お世話係の私たちにとっても、大きな負担になります。だからこそ、毎日の解毒が必要なのです。私たちが基本のサプリメントをおすすめする理由の1つも、ここにあります。
香り
柔軟剤や芳香剤、消臭スプレーなどの強い香りで、頭痛や吐き気などの体調不良を訴える人がいます。「香害」と呼ばれ、2021年からは、消費者庁・文部科学省・厚生労働省・経済産業省・環境省が、そろって配慮を呼びかけています。国民生活センターには、柔軟剤のにおいの相談が毎年130〜250件寄せられ、その6割以上が、体調を崩したという相談です。
香りの強い柔軟剤を多めに使うと、においの強さはそれほど変わらないのに、空気中の揮発性の化学物質は大きく増えたという試験もあります。においで気づかないまま、部屋の空気は汚れていくのです。
人にこれだけの害が出ているものを、体の小さなネコさんは、床に近いところで、毎日吸い続けることになります。精油(アロマオイル)は、なめたり肌に付いたりすると、ネコさんやワンちゃんに中毒を起こすことも知られています。ネコさんの暮らす部屋では、香りの強い製品やアロマは控えてください。
オゾンの「除菌」「脱臭」
家庭用のオゾン発生器にも、注意が必要です。国民生活センターの試験では、普通の広さの部屋で30分動かしただけで、働く人が1日吸い続けてよい上限(0.1ppm)の最大10倍になり、止めても数時間残るものがありました。
オゾンは、鼻やのど、肺を刺激し、喘息を悪化させます。米国環境保護庁は、体に害のない濃さでは、空気をきれいにする力はほとんど無く、室内の化学物質と反応して、かえって別の有害な物質を作るとしています。空気をきれいにするつもりの機械が、ネコさんの呼吸を苦しめることがあるのです。
窓から入ってくるもの
窓を開けていると、室内のPM2.5は屋外とほぼ同じ濃さになります。花粉や排気ガスも入ってきます。一方で、部屋にこもった化学物質を減らすには、換気が欠かせません。
- 外の空気が悪い日や、花粉の多い時間は避ける。しっかり換気したいときは、深夜や雨の日を選ぶ
- エアコンや空気清浄機は、オゾンを出さないタイプを選ぶ。
暖房
ガス・灯油・薪の暖房は避けてください。 燃焼で出る物質を、室内で吸い込み続けることになります。
季節と空気
黄砂や花粉の季節、低気圧が続く時期に、ホルモンの病気の子の体調が崩れやすいことを、私たちはご相談の中で何度も見てきました。
人では、大気の汚れがひどいほど、甲状腺ホルモン(FT4)が低いという報告が、多くの国から出ています。ネコさんで調べた研究は、まだありません。けれど、T4が下がれば、同じ量のお薬が効きすぎになることは、第9章でお伝えしたとおりです。
検査を受ける日も、空気のきれいな、気圧の安定した日を選んでください。
むすび
甲状腺機能亢進症は、甲状腺だけの病気ではありません。
腎臓は数値の下に隠れ、心臓は急かされ、肝臓は休めず、筋肉は削られ、副甲状腺は働き続ける。呼吸は速くなり、腸は食べ物を通り過ぎさせてしまう。
よく食べるのに痩せる、夜に鳴く、落ち着きがない、目に力が入りすぎている、下痢や軟便が続く。反対に、食欲や元気が落ちる子もいらっしゃいます。どれも、体の中が休みなく走り続けているサインです。
だから、甲状腺の数値だけを追いかけないでください。腎臓の数値、肝臓の数値、血液の細胞の数、体重と筋肉、食欲とウンチ、そしてその子の表情。 お薬の副作用が出ていないかも含めて、全部を一緒に見て、はじめて「今の量で良いのか」が分かります。
お薬は必要です。けれど、お薬だけでは支えきれません。走り続ける体に見合うだけの栄養と水、そして化学物質の少ない暮らし。 それを整えるのは、毎日そばにいる飼い主さんです。
多くの子は「たくさん食べるのに痩せる」という分かりやすい特徴がきっかけで、この病気が見つかります。けれど、ごく一部に、酷い食欲不振に陥る子がいらっしゃいます。そのため、この子たちは、どうしても診断が遅れがちです。もしも身近に、原因の分からない食欲不振で苦労なさっている方がいらっしゃれば、まれに逆向きの症状があることを教えて差し上げてください。
難しい病気ですが、理屈よりも、目の前の子を大切に考えることが一番だと思っています。ネコさんが感じる小さな辛さを想像しながら、1つ1つ取り除いていきましょう。お迷いの際は、ご遠慮なくお声がけください。
すべては、あなたのシッポちゃんのために。
甲状腺のためのサプリ・フード
毎日のごはんに合わせる、基本の栄養補助食品。アルティジャーノ液体酵素
液体タイプの栄養補助食品。NinnaNannaDelica/NMN原末
毎日の食事に、少しずつ。MSM
健やかな体作りに。ルンブルQ
血液と血管のために。MRN-100 高機能π(パイ)ウォーター
毎日の水分に。タヒボNFD(健康茶)
NinnaNannaの健康茶。
これらは治療薬ではなく、獣医さんの治療に代わるものではありません。持病があったり、治療中のお薬がある場合は、原材料と使い方をご確認のうえ、かかりつけの先生にもご相談ください。
*NinnaNanna(ニンナナンナ)では、シッポを持つ家族の総称としてシッポちゃんと呼びます。
また 犬 をワンちゃん、猫 をネコさんと敬意を以て表現しています。



