
下部尿路のために ― お家で気づいて、お家で整える
下部尿路とは、膀胱から尿道までを指します。腎臓は含みません(腎臓のお話は別に設けています)。
とても罹りやすい場所なので、つい“どんぶり勘定”になりがちです。けれど、今うちの子に何が起きているのかを把握できていないと、ケアがぼんやりしたり、強引な治療で再発や次の病気を招く——下部尿路は、そんな“こじれやすさ”を抱えた場所です。
だからこそ、日頃の観察と、お家でのケアが物を言います。まずは、うちの子の状態を正しく知ることから始めましょう。
まず、うちの子がどの状態かを知る
下部尿路のトラブルは、大きく 「膀胱炎」 と 「結晶・結石」 に分けて考えると整理できます。
膀胱炎=膀胱の炎症の“総称”
膀胱炎とは、膀胱の内側で起きた炎症の総称です。炎症(=膀胱の粘膜が傷んだ状態)を起こす引き金には、細菌・結晶や結石・尿と一緒に送り込まれた不要なもの・尿道栓子などがあります。
- 尿道栓子:炎症ではがれ落ちた粘膜細胞や、白血球・赤血球・結晶・粘液などが混ざって固まり、尿道をふさぐ“栓”になったものです。特にオス猫で問題になります(第6章)。
- 未去勢のオス:精子が膀胱に流れ込み、刺激や炎症につながることも少なくありません。
膀胱炎は、原因菌がいる 細菌性 と、菌がいない 無菌性 に分かれます。そして大切なのは——この二つは混ざることがあるということ。もともと無菌性の炎症で弱った膀胱に、あとから細菌が住みついて細菌性が重なる、という順序も珍しくありません。だから「一度調べて終わり」ではなく、経過を追うことが必要です。
表③ 細菌性膀胱炎と無菌性(特発性膀胱炎・FIC)の違い
同じ「膀胱炎」でも、菌がいるか・いないかで、性格も対処もまるで違います。
| 細菌性膀胱炎 | 無菌性=特発性膀胱炎(FIC) | |
|---|---|---|
| 原因 | ブドウ球菌・プロテウスなど尿素を分解する菌(ウレアーゼ産生菌)の感染(背景に免疫の低下) | はっきりした菌はいない。ストレス・自律神経・体質が絡む“全身の問題” |
| 多い子 | どの子でも。免疫が落ちると増える | 若いネコさんに最多(膀胱炎の半分以上) |
| オシッコのpH | アルカリに傾きやすい | 一定しない(酸性のことも多い) |
| 尿の菌 | 培養で菌が出る | 培養しても菌が出ない |
| 主な対処 | 感染を抑える+水で流す+免疫を立て直す | 暮らし・ストレスを整える+鎮痛+水と栄養で体質から |
| 注意 | 繰り返すと腎臓へ及ぶことも | 長引くと細菌性を併発することがある |
(それぞれ詳しくは第5章〈アルカリ尿〉・第6章〈FIC〉で。)
結晶と結石は、別ものです
- 結晶:尿に溶けていた成分(シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、尿酸など)が飽和して、砂粒のように析出したもの。
- 結石:その結晶の核に成分が次々と付着し、成長・凝集して塊になったもの。
つまり 結晶は“砂”、結石は“石”。結晶の段階なら、尿を整えることで流し切れることも多いのですが、石にまで育つと話が変わってきます。だから結晶のうちに気づくことがとても大切です(見分け方は第4章)。
表① 石には“顔”がある(種類ごとに性格が違う)
石は一括りにできません。何と何が結びついたかで、できやすい場所も、尿で溶けるかどうかも、罹りやすい子も、まるで違います。
| 石の種類 | 何と何の化合物 | できやすい場所 | 尿で溶ける? | 傾向 |
|---|---|---|---|---|
| ストルバイト | リン酸+マグネシウム+アンモニウム | 主に膀胱 | ◎ 酸性の尿で溶ける | ネコさん・ワンちゃん共に多い。ワンちゃんはほぼ細菌感染由来、ネコさんは菌のいない食事性も多い |
| シュウ酸カルシウム | シュウ酸+カルシウム | 膀胱・腎臓 | × 溶けない(取り出すしかない) | もともと中高齢・小型のワンちゃんや去勢オスに多い石。近年はネコさんでも増えています |
| リン酸カルシウム | リン酸+カルシウム | 膀胱・腎臓 | △ 条件つき | 他の石と混ざって出ることが多い |
| 尿酸(アンモニウム尿酸塩) | 尿酸+アンモニウム | 膀胱(肝臓が関わる) | △ 尿をアルカリ寄せ+薬で | ダルメシアン等の遺伝、肝臓・血管の異常(シャント)で |
| シスチン | シスチン(硫黄を含むアミノ酸) | 膀胱 | △ 尿をアルカリ寄せ+薬で | オスの遺伝性。去勢が選択肢になることも |
溶ける石(ストルバイト)と、溶けない石(シュウ酸カルシウム)がある——この違いが、後の対処を大きく分けます。そして石は厄介なことに、腎臓や膀胱だけでなく、体内のやわらかい組織ならどこにでもくっつく性格を持っています。これが 「石灰化」 です。
表② オシッコのpH(酸性・アルカリの度合い)の正常値
pHは「7」が中性で、それより低いと酸性、高いとアルカリ性です。ネコさんとワンちゃんで、本来の適正が違います。
| 本来の適正pH | 高い(アルカリ)側 | 低い(酸性)側 | |
|---|---|---|---|
| ネコさん (真性の肉食獣) | 6.2〜6.5(弱酸性) | 6.8以上は細菌性膀胱炎の疑い(第5章) | 酸性に寄りすぎるとシュウ酸カルシウムのリスク |
| ワンちゃん (雑食寄り) | 5.5〜7.0と幅広い(食事で動く) | 感染でアルカリへ傾く | 同上 |
ネコさんは肉食動物なので、本来のオシッコは弱酸性です。ワンちゃんは食べ物で大きく動くため、“ここからここまでが正常”の幅が広くなります。大事なのは「一度の値」ではなく「動き方」(詳しくは第4章)。
マグネシウム原因説は、遠い過去の過ち
下部尿路のなかで、いちばん誤解されてきたのが、この“原因”の見方です。そして——ここを取り違えると、下部尿路疾患から一生抜け出せなくなります。
「マグネシウムだけ」「pHだけ」「尿ケアフードなら何でも」の落とし穴
長いあいだ「ストルバイト=マグネシウムの摂りすぎ」と言われてきました。けれど、マグネシウムの“量だけ”を犯人にするのは誤り——これが今の獣医療の見方です。
いちばん多いストルバイトには、じつは二つの顔があります。ワンちゃんでは、そのほとんどが“感染性”——尿素を分解する菌が膀胱の中でアンモニアを作り、尿をアルカリに傾けることで、結晶が石へと育ちます。ですからワンちゃんでは、鍵を握るのは免疫力です。いっぽうネコさんでは、菌のいない“食事性”のストルバイト(尿のpHや濃さが関わる)も多いのです。どちらにも共通して言えるのは——鍵を握るのはマグネシウムの“量だけ”ではなく、尿のpH・尿の濃さ、そして感染だ、ということ。マグネシウムばかりを目の敵にして、pH・尿の濃さ・感染を見ないのが、いちばんの間違いなのです。
石ができるかどうかは、たった一つの成分では決まりません。尿のpH × 溶けている成分の濃さ × 尿の薄さ——この“掛け算”で決まります(専門的には相対過飽和度と呼びます。難しい言葉は覚えなくて大丈夫)。だから「マグネシウムだけ減らせば安心」も「pHだけ下げれば安心」も、片手落ちなのです。
そして、いちばん怖い誤りが 強制的な酸性化。ストルバイトを溶かそうと尿を酸性に振りすぎると、今度は溶けないシュウ酸カルシウムに移り変わる——これは、すでに多くのシッポたちが経験してきた事実です。“尿ケア”の一語でフードを選ぶと、かえって逆効果になりかねません。
カルシウム不足が、リンとアンモニアを呼ぶ
体の中をイメージしてみてください。
カルシウムが足りないと、体はそれを補うために脱灰(骨を溶かすこと)を進めます。このとき骨から出てくるのは主にリン酸カルシウム。欲しかったのはカルシウムなのに、要らないリン酸まで一緒に増えてしまうのですね。
そこへ、質の悪い高タンパク食や、免疫の落ちた膀胱で悪玉菌が作り出すアンモニアが加わり、たまたま通りかかった少しのマグネシウムが捕まる——リン酸+マグネシウム+アンモニウムの出来上がりです。マグネシウムは、たまたま最後にくっついた“一員”であって、“量だけ”が犯人ではありません。腎不全では「リン」に敏感なのに、結石のリンは誰も見ない——点でしか診ない医療の穴が、ここにあります。
尿を酸性にする“添加物”の落とし穴
ここで一つ、知っておいてほしいことがあります。多くの療法食には、尿を酸性にしてストルバイトを防ぐために DLメチオニン という成分(硫黄を含むアミノ酸)が加えられています。仕組み自体は理にかなっています。ただ——
- ワンちゃんでは注意が要ります。 DLメチオニンを摂りすぎると、体の中でホモシステインという、血管を傷めうる物質が増えてしまうことがある、と報告されています。「これが心臓病の原因」と言い切れる段階ではありませんが、心臓に不安のある子や、長く使い続ける場合は慎重に。(※ワンちゃんの拡張型心筋症では、むしろ別の栄養不足も議論されており、単純ではありません)
- ネコさんは“わからないから安全”とはしません。 ネコさんは下部尿路のトラブルが多く、DLメチオニンを添加しているごはんを食べる機会も多い。しかも尿を酸性に振りすぎると、貧血・体の酸性化・カリウム不足からの腎臓への負担・骨からのカルシウム流出、といった負担が起こりうることは分かっています。「よく分からないことは、危ないほうに転ばないよう、控えめにしておく」——これがNinnaNannaの立場です。
「生まれつき」は、ほとんどありません
最後にいちばん大切なこと。生まれつきの結石体質・膀胱炎体質は、ほぼ存在しません。(一部の遺伝性の石は例外ですが、大多数は違います。)
後天的に授かってしまった体質を、そのままにしてしまう——それが、獣医さんに「生まれつきですね」と言わせてしまう正体です。体質は、変えられます。お家で根気よく立て直していけるものなのです。
尿を増やす(水)=原因を膀胱から追い出す、最強の方法
炎症の引き金が何であっても、大量のオシッコで膀胱から洗い流せば、余計なものをひとまず減らせます。菌も、結晶も、不要なものも、薄めて押し流す。これが、いちばん地味で、いちばん確かな一手です。
お家で、今日からできること
- ごはんを、すべてウェットフードに切り替える。 まず、いちばん頼りになる一手です。ドライフードは、飲水を足しても水分量の差を埋めきれません。水分70%を超えるウェットが土台です。
- ジュースやおやつの形でも、できるだけ水分を摂る。 飲み場を増やす、ぬるま湯にする、流れる給水器を使う——飲みたくなる工夫を。
- お水を選ぶ。 量を増やすだけでなく、体になじみやすい良質なお水(πウォーター=MRN-100など)だと、毎日の水分補給を無理なく続けやすくなります。
- 皮下輸液も、とても有効です。 じつは、“とりあえずの抗生剤”よりも、“とりあえずの皮下輸液”のほうが、遥かに効果的で安全です。(抗生剤の前に皮下輸液をしてくださる獣医さんは、なかなかいらっしゃいませんが……お家でできる代替として、水分を増やすことがそれに当たります。)
目安(あくまで目安です)
尿の濃さ(尿比重)で言えば、ワンちゃんは1.020以下、ネコさんは1.030以下が一つの目安。水分量は概ね体重1kgあたり50mL/日が目安ですが、体格・活動・気温・食事で大きく動きます。数字はあくまで目安で、やたらと飲む・大量にオシッコが出るのは、むしろ病気のサイン——そのときは獣医さんへ。
ただし、これは“目先の対処”です
水で押し流すのは、火を消す消火です。火元そのもの——なぜ石や炎症ができる体になったのか——は、代謝と解毒の乱れにあります。ビタミン・ミネラル不足による代謝の停滞、疲れた肝臓、足りない抗酸化、足りないアミノ酸。そこを立て直さなければ、また火がつく。この“根っこ”の話は、第6章とサプリの章でしっかり触れます。
オシッコのpHと、石の顔 ― お家での見分け方
うちの子の状態は、お家でかなり読み取れます。順不同で、見るべきポイントを挙げます。
- pHは1日に何度も変わります。 特に食後は上がりやすい(アルカリに振れやすい)。だから一度きりの値で慌てないこと。逆に言えば、時間帯を変えて何度か測ると、その子の“クセ”が見えてきます。
- 頻尿があれば、膀胱炎はほぼ確定と考えてよいでしょう。何度もトイレに行く、少量ずつしか出ない、トイレ以外で粗相する——膀胱が悲鳴を上げているサインです。
- pHチェックで、細菌性かどうかがお家で見当をつけられます。 オシッコがアルカリに傾いていれば、細菌性の可能性がかなり高い(第5章で仕組みを説明します)。
- ペットシーツがキラキラ光れば、結晶が出ています。 光の当たる角度で、砂のようなきらめきが見えたら、結晶のサイン。石になる前に手を打つ合図です。
- オシッコに血が混じったら、“その程度”を冷静に見ます。 うっすら赤い〜しっかり血の色まで、5段階でイメージを。薄い側(①②)は膀胱炎の範囲のことが多く、濃くなるほど(③④)は炎症が強いサイン。はっきりと血の色(⑤)なら、腎臓からの出血の可能性もあり、この場合は膀胱炎の範囲を超えますから、急ぎ通院してください。
アルカリ尿は、免疫力の低下のサイン
なぜオシッコがアルカリに傾くのか。ここに、こまめなpHチェックが要る理由が詰まっています。
体の中の順序
健康な体液は、本来アルカリ性です。じつは、体液がアルカリに保たれてこそ、膀胱を守る弱酸性のオシッコが作られます。ところが代謝が乱れて体液が酸性に傾くと、正常な弱酸性のオシッコが作れなくなり、結果としてオシッコはアルカリへ振れていくのです。
本来の弱酸性のオシッコは、膀胱の中で雑菌が増えるのを抑える、大切な守りでもあります。(ごはんにカルシウムとマグネシウムを足す必要があるのは、これらが酸性に傾いた体液を弱アルカリへ引き戻す役目も担っているからです。)
そしてもう一つ。免疫が落ちた膀胱に、ブドウ球菌・プロテウスなど尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する菌(ウレアーゼ産生菌)が住みつくと、オシッコを一気にアルカリへ傾けます。これが続けば、ストルバイトへまっしぐら。つまり——
アルカリに傾く大きな一因は、細菌の感染。そしてその背景には、免疫の低下がある。 アルカリ尿は、「うちの子の守る力が落ちていますよ」という便りなのです。
(正確に言えば、菌がいなくても、食事の内容やタイミング、ストレス性の膀胱炎でもpHは動きます。ですから“アルカリ=必ず細菌”ではありません。それでも、アルカリへの傾きは、細菌と免疫を真っ先に疑うべき重要なサインであることに変わりはありません。)
だから、こまめなpHチェック
ここが肝心です。pHは一日の中で揺れ動き、食後に上がり、菌が増えれば跳ね上がる。ですから一度きりでは、その子の本当の状態は見えません。
こまめに測ってこそ、「食後に一時的に上がっただけ」なのか、「一日じゅうアルカリに傾いている=菌と免疫の問題が進んでいる」のかを、お家で見分けられます。朝・食後・夜と時間を変えて、記録をつける。この習慣が、こじれる前に手を打つ最大の武器になります。試験紙は安価で、痛みもありません。オシッコが1〜2滴あれば判定できます。ぜひ、うちの子の“pHの一日”を掴んであげてください。
ネコさんは「FIC(炎症・ストレスの膀胱炎)」が主役/尿道閉塞は救急
ネコさんの膀胱炎は、菌が犯人とは限らない
ここは、ぜひ知っておいてほしい最新の知見です。若いネコさんの膀胱炎の多く(半分以上)は、菌のいない“特発性膀胱炎(FIC)”です。細菌が犯人になる細菌性膀胱炎は、若い健康なネコさんでは、むしろ少ないのです。(ただし、特発性膀胱炎〈FIC〉が長引けば、細菌性を併発することは少なくありません。)
FICは、膀胱だけの病気ではありません。ストレスに敏感な自律神経の体質を背景にした、“全身の問題”だと分かってきました。緊張しやすい、環境の変化に弱い、そういう子の膀胱に炎症として現われます。ですから対策も、水・トイレ・隠れ場所・多頭飼いの間合い・肥満対策といった暮らしそのものを整えることと、神経のバランスを支える栄養素の強化が中心になります。
(※急に症状が出ても、一過性であれば1週間ほどで自然に治まることが多いです。けれども、ここが落とし穴。“たまたま飲ませた薬やサプリが効いた”と勘違いしやすいのです。だからこそ、異変に気がついたときは、根っこの体質を整えることが本筋なのです。)
根っこは、代謝と解毒 ― 肝臓の“抱合”という共通の糸
第3章で「火元は代謝と解毒」とお伝えしました。その糸をたどると、肝臓にたどり着きます。
体に取り込まれた不要なものは、肝臓の「抱合(ほうごう)」という仕組みによって、排泄しやすい形へ変えられ、主に尿や胆汁を通して体の外へ送り出されます。肝臓はグルクロン酸抱合・グルタチオン抱合・硫酸抱合・グリシン抱合という複数の経路を使い分けて、体を掃除しています(名前は覚えなくて大丈夫)。ただしネコさんは、物質によってはグルクロン酸抱合の力が他の動物より弱く、すべてを同じようには処理できません——これが、ネコさんが解毒に独特のクセを持つ理由の一つです。
炎症やストレスは、体に酸化のダメージ——膀胱の粘膜(バリア)を錆びつかせ、傷つきやすくする負担——を残します。この酸化を抑える抗酸化と、解毒の一翼をになうのがグルタチオン(グルタチオン抱合の主役)です。グルタチオンはシステイン・グルタミン酸・グリシンから作られ、その材料のシステインはメチオニンからも供給されます。つまり、膀胱で起きた炎症の後始末と、肝臓の解毒は、同じ栄養の土台の上にあるのです。しかもネコさんは真性の肉食獣なので、これらの材料となる硫黄を含むアミノ酸を、食事から適切に摂る必要があります。
(※「グルタチオン不足が特発性膀胱炎の原因だ」と言い切れる段階ではありません。あくまで、体を整えるうえで見逃せないつながり、として捉えてください。)
だから下部尿路のケアは、膀胱だけを見ていては足りません。膀胱だけを見ていると、いつまでも抜け出せず「生涯つき合う体質」と言われてしまいます。より早く抜け出すためには、疲れた肝臓の立て直しと、抗酸化の底上げ、そして免疫の強化を、同時に行う必要があります。遠回りに見えるかもしれませんが、土台から立て直すこの方法こそ、再発防止まで含めた一番の近道になります。
(肝臓の解毒の仕組みは、別ページ「肝臓のために」でくわしくお話ししています。)
尿道閉塞は、見誤ると命に関わる ― でも、あわてすぎない
尿が出せなくなる「尿道閉塞」は、タイミングを見誤ると半日〜1日で命に関わります。特にオス猫さんは尿道が細く、栓子や結晶で詰まりやすいので要注意です。一方で、私たちが過敏に反応しすぎると、無用な治療でネコさん・ワンちゃんに大きな負担を背負わせてしまいます。大切なのは、日頃の食事ケアと丁寧なチェックで、“小さな異変”のうちに気づいてあげることです。
お家で見極めるポイント
- 「頻尿も出血もないから安心」は間違い。 トラブルは、目立つ症状が出る前から“オシッコのpHの乱れ”として始まっています。固まるタイプの猫砂だと、オシッコに混じるキラキラ(結晶)やその量が見つけにくいので注意します。
- 普段どおりのオシッコが、最後に出たのはいつ? 時間が経っているほど、閉塞を疑いましょう。
- トイレでするとは限りません。 トイレの周り、ベッドや毛布(ワンちゃん用・ネコさん用・人用を問わず)、押し入れ、カーテンの裏、玄関や風呂場など、その子がそのとき落ち着ける場所を選ぶことがあります。
- 膀胱が空でも、排尿姿勢をとることがあります。 オシッコは腎臓から少しずつ送られてきます。溜まるたびに出していれば、膀胱が空っぽのこともあります。(ただし、膀胱が空かどうかを、家庭で触って判断するのは難しいものです。)
- 水分は、入った分だけ出てきます。 飲んだ量とオシッコの量を把握できれば、膀胱に“止められている量”がおおよそ予測できます。
- 猫砂やペットシーツに血の痕がない=大丈夫、ではありません。 予兆はその前から始まっています。出血を伴えば、すでに症状は進んでいます。
- 出血に止血剤は必要? ふつう、傷は血小板の働きですぐに止血されます。出血し続けているなら、傷が“深い・広い”と考えましょう。
- 抗生剤・抗菌剤は、結晶や結石には直接働きません。 処方される抗生剤・抗菌剤が膀胱の中の悪玉菌にマッチしなければ効果は出ず、無菌のときは後回しでよい場合もあります。
- 「押し流し」を考える。 膀胱の中の結晶や雑菌は、たっぷりのオシッコで押し流して“ひとまずリセット”ができます。ただしオシッコの量が少ないと、結晶や老廃物だけが取り残され、それが尿道に集まって閉塞を起こすことがあります。
- 未去勢の男の子で原因がわからないときは、去勢手術も一つの手段です。
- 頻繁に下痢や嘔吐を繰り返している子は、そうでない子より栄養障害の疑いが濃いので、体の立て直しが必要です。
尿道閉塞は、見誤ると命の危険を伴います。一方で、過敏に反応すれば無用な治療で大きな負担を背負わせます。日頃の食事ケアと丁寧なチェックで、“小さな異変”のうちにお家で整えてあげてください。 ご自分で判断できないときは、早めに私たち(NinnaNanna)にご相談いただくか、急ぎ獣医さんを頼ってください。
エコー検査で結石が見つかったら
エコー(超音波)で石が見つかったら、慌てず、種類と場所とサイズを確認します。ここで打つ手が変わります。
- ストルバイト(溶ける石)なら、5mmくらいまでのサイズは、膀胱の中で溶かせる可能性があります。 尿を整え、感染を抑え、水で流す——お家のケアと獣医さんの管理で、手術せずに小さくして押し流せる望みがあります。
- 膀胱の中の石なら、外科で取り出すこともできます。 ただし、まだ3mm程度と小さいうちは、手術で探して取り出すには小さすぎて、かえって扱いが難しいこともあります。溶ける石(ストルバイト)であれば、あわてて手術に踏み切らず、尿を整えて溶かしながら経過を見るという選択もあります。(あまりに小さい石は尿道へ流れて詰まる心配もあるため、“溶かして押し流せる頃合い”を、獣医さんと相談しながら見極めていきます。)
- 腎臓の中の石は、取り出すのが難しいうえ、そもそもストルバイトでない可能性が高い(=溶けない石のことが多い)。ここは慎重な見極めが必要です。
そして、どの場合でも土台は同じ。「作りにくく・大きくしにくい」体質づくりが大切です。もし手術を受けるなら、その手術に耐え、回復できる身体を作っておくことも、同時に進めたいケアです。また、手術で石を取り除いても、作りやすい土台が放置されていたら繰り返します。大事な子に二度と同じ辛さを背負わせないためにも、身体の土台づくりが大切なのです。
サプリは、誠実に ― 土台づくりがすべて
派手なサプリが下部尿路を治す、という話ではありません。効くかどうか怪しいものに頼るより、確かな土台を作り上げることの方が、ずっと近道です。
土台とは——十分な水、適正な体重、感染を招かない免疫、石の種類に合った栄養コントロール、そしてお家でのこまめなpHチェック。この地味な積み重ねが、いちばん強い。
この土台づくりを支えるのが、足りない栄養を補うサプリメントです。下部尿路の子に不足しがちなのは、ビタミンC・B群、カルシウム・マグネシウム、そして抗酸化にかかわる栄養。正しい代謝で免疫や抗酸化の力を支え、疲れた肝臓をいたわる——その手助けとして、無理なく補ってあげてください。
早すぎる異変が、増えています
最後に、どうしてもお伝えしたいことがあります。
近年、本来ならもっと歳を重ねてから出るはずの下部尿路のトラブルが、若い子に出始めています。 7〜8年前には、ほとんど見られなかったことです。栄養の偏り、代謝の乱れによる免疫の低下、抗酸化の不足——完璧ではないごはんが、静かに土台を崩している。そう考えざるをえない変化です。
若い子ほど、早く立て直してあげられます。そして、早く手を打ってあげたいのです。 たとえば繰り返す細菌性の膀胱炎は、その雑菌が腎臓へ移動することで、将来の腎不全のリスクにもなりうるのですから。軽いうちに、お家で。それが、シッポたちの一生を守る何よりの近道です。
その子の土台づくりに ― NinnaNannaのアイテム
代謝を支える ― ビタミンBコンプレックス代謝の土台となる、B群を補います。 解毒を支える ― ニンナナンナ・ブースト
多角的に体をいたわる、ブースト。 免疫の健康維持に ― 無添加・天然由来ビタミンC
毎日の健康維持を、やさしく支えます。 アミノ酸で支える ― ビタミン・ミネラル+アミノ
解毒と再生の材料となるアミノ酸を、ビタミン・ミネラルと一緒に。 腸から支える ― 免疫力の健康維持
体の守りの土台となる、腸のコンディションに。 すこやかな体づくりに ― MSM
硫黄を含む成分。毎日のコンディション維持に。 良質なお水 ― π(パイ)ウォーター
水分がとても大切なこの場所に。毎日の一杯を、体になじみやすいお水で。 総合力 ― タヒボNFD(健康茶)
身体をいたわる、NinnaNannaの健康茶。 お家でチェック ― pH試験紙
オシッコ1〜2滴で、その子の“pHの一日”を。



