症状別サプリメント/肝臓のために


代謝と解毒の“本丸” ― 肝臓を活かす、その子だけの道

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前のページ「代謝と解毒」で、身体は内からも外からも“不要なもの”を絶え間なく受け取り、それを休みなく処理し続けている、とお話ししました。

その処理を一手に引き受ける“本丸”が、肝臓です。アンモニアという毒を無害な形に変え、薬や毒物を水に溶けやすくして胆汁へ送り出し、栄養を蓄え、身体をつくるタンパク質を合成する——「代謝と解毒」で語ったことのほとんどは、じつは、この臓器の中で起きています。

だからこそ、肝臓が弱ると、全身に影響が広がります。そして——ここが大切なのですが——10シッポいれば、10とおりの肝臓があります。このページも、たった一つの正解を示すものではなく、その子だけの道を一緒に探すための“地図”です。少し専門的な話も出てきますが、詳しく覚える必要はありません。「そういうことか」と感じていただければ十分です。

まず“肝臓の地図”を持つ ―「数値が高い=肝臓病」ではない

肝臓は、「沈黙・予備・再生」の三つの性質を持つ臓器です。

  • 沈黙——少しくらい辛くても、症状に出さず頑張ってしまう。
  • 予備——働く力に大きな余裕があり、かなり傷んでも表面上は平気にみえる。
  • 再生——傷んでも、また新しく作り直す力が高い。

この三つが揃っているために、黄疸やお腹の張り(腹水)、ふらつきといった“はっきりした症状”が出る頃には、病変がかなり進んでいることが少なくありません。逆に、元気なのに健康診断で「肝臓の数値が高い」とだけ言われることも、とても多いのです。

「肝臓の数値」は、煙であって、火そのものではない

血液検査の“肝臓の数値”には、性格の違う二つのグループがあります。ここを取り違えないことが、いちばん大切です。

  • 肝酵素(ALT・AST・ALP・GGT)=「煙」。肝臓の細胞が傷むと漏れ出し、また胆汁の流れが滞るとその刺激で作られて増え、血液の中に出てきます。傷みや滞りを知らせる“アラーム”であって、肝臓が「働けているか」は教えてくれません。
  • 機能のものさし(ビリルビン・血清胆汁酸・アンモニア・アルブミン・BUN)=「火の大きさ」に近い手がかり。肝臓が実際に仕事をこなせているかを、間接的に映します(ただし、これらも肝臓だけを見ているわけではなく、貧血・炎症・腸や腎臓の状態にも左右されます)。

だから——「肝酵素の数字が大きい=重症」でも、「数字が正常=肝臓は無事」でもありません。健診で酵素だけが高い元気な子は“煙は出たが火は小さい”ことも多く、逆にアルブミンや血糖の低下・黄疸が揃えば“火が大きい”サインです。

そしてもう一つ大切なこと。肝酵素が上がる原因の多くは、肝臓そのものの病気ではなく、“別の場所の病気に肝臓が巻き込まれて”いる(=二次性)ことです。ホルモンの病気(クッシング・甲状腺)、膵臓や腸の炎症、感染、お薬——肝臓は働き者で、周りの不調を全部かぶってしまうのです。「肝臓だけを見ていては、治せない」と昔から言われるのは、このためです。

肝臓に関わる血液検査(犬猫のちがい)

数値は検査機関や機械によって幅があります。必ず、その検査結果に付いている基準値で見てください。ここでは“意味”と“犬猫のちがい”を持ち帰っていただければ十分です。

検査項目どんな意味?ワンちゃんとネコさんのちがい・ポイント
ALT(GPT)肝細胞が傷むと漏れる(煙)。犬猫では比較的、肝臓に特化ワンちゃんは約2.5日/ネコさんは数時間で消える。ネコさんは“一過性の上昇”を捉えにくい
AST(GOT)ALTより敏感だが、筋肉・赤血球からも出る(煙)高いときは筋肉由来のことも。CK(筋肉の数値)と一緒に見て切り分ける
ALP胆汁の流れの滞りで上がる(煙)ワンちゃんは読み方にコツ(骨・ホルモン・ステロイド薬でも上がる)/ネコさんは少しの上昇でも要注意
GGT胆汁の滞りの指標(煙)ネコさんの胆道の病気ではALPより敏感なことも。例外=脂肪肝ではALPが上がるのにGGTは正常〜わずか
総ビリルビン上がると黄疸。溶血・胆汁の滞りにも左右されるおおよそ2〜3mg/dLを超えると、見た目に黄色くわかる
血清胆汁酸肝臓の働きと血の巡りを映す(火の手がかり)門脈シャントの発見に強い。黄疸がすでにあれば追加で測る意味は乏しい
アンモニア肝性脳症・門脈シャントに敏感(火の手がかり)正常でも肝臓病は否定できない。検体の扱いがシビア
アルブミン肝臓でだけ作られるタンパク(火の手がかり)低下は“遅れて出る”=慢性・重いサイン。炎症や漏れでも下がる
BUN肝臓が働かないと“低く”なることがある腎臓の見方とは逆。低タンパク食でも下がるので単独では判断しない

AST と ALT ―「どちらが高いか」の考え方

犬猫では、ふつうは ALT > AST(ALTがより肝臓に特化した主役)です。逆に、ASTのほうが目立って高いときは、次のいずれかを考えます。

  • 筋肉由来かもしれません。ASTは肝臓だけでなく筋肉にも含まれるため、激しい運動や筋肉の傷みでも上がります。CK(筋肉が傷むと上がる数値)を一緒に測れば、肝臓由来か筋肉由来かを切り分けられます。
  • より重い、深い傷みかもしれません。ASTは肝細胞のより奥(ミトコンドリア)にもあるため、細胞が深く壊れるほど多く漏れ出ます。ASTがALTを上回るときは、それだけ傷みが重い段階に入っているおそれがある、と受け止めます。

ただし、この見方は“手がかり”であって、犬猫では「この比ならこの病気」と決まるルールではありません。実測値の大小そのものより、基準値をどれくらい超えているかの程度で見るのがコツで、あくまで状態を推し量る一つの目安です。

ALP ―「ワンちゃんは読み方にコツがいる、ネコさんは見逃せない」

ALPは、じつはいくつもの“出どころ”が一つの数字に混ざり合った、少し特殊な検査です。肝臓・胆道のほかに、骨・小腸から出るものがあり、さらにワンちゃんだけは“ステロイドで誘導される型”を持っています。

ワンちゃんの場合——ALPは、肝臓以外の理由でも上がります。

  • 成長期の子は、骨が活発に作られるために、ALPが上がりやすくなります(これは病気ではありません)。
  • クッシング(副腎皮質の病気)やステロイドのお薬でも、ステロイド型のALPが上がります。
  • ですから、ワンちゃんの「ALPが高い」だけでは、肝臓病とは決められません

ただし、これは“肝臓以外が原因なら安心”という意味では決してありません。クッシングもステロイドの負担も、それ自体が手当ての必要なことです。ALPが高いなら、「肝臓か、それ以外か」を確かめ、原因に応じた手を打つ——そのための入口が、この数値なのです。もちろん、肝臓・胆道の病気でもALPは上がります。「上がる理由が多い」ことは、「軽く見てよい」ことでは、まったくありません。

ネコさんの場合——ネコさんはステロイドで誘導される型を持たず、ALPが血液から消えるのも速い(作られてもすぐ消える)。だから、血液に出てきている時点で“今まさに”胆汁の流れが滞っているサインネコさんのALPは、わずかな上昇でも見逃せません

  • ただしネコさんでも、骨の成長期にはALPが上がりますし、甲状腺機能亢進症(甲状腺ホルモンが過剰になる病気)では骨の代謝が高まって上がることがあります。
  • そこで、GGTという別の胆道の数値を一緒に見ます。GGTも胆汁の滞りで上がる数値で、ALPとGGTがそろって上がっていれば、胆道の異常が濃厚。逆に、脂肪肝だけは「ALPは上がるのにGGTは正常〜わずか」という特徴的なパターンを示します。こうした他の数値や、超音波・症状と合わせて、はじめて確からしくなります。

(※数値は、脱水を補って体調が落ち着いた状態で、くり返し測って判断するのが基本です。ただし、著しい異常値や重い症状がそろうときは、1回の検査でも診断がつくことがあります。)

解毒の“本丸” ― その子が「自分で回す」仕組み

「解毒」と聞くと、外から何かを入れて“毒を出してあげる”イメージがあるかもしれません。でも、身体の解毒はそういうものではありません。健康な肝臓は、24時間、自分の力で解毒を回し続けています。私たちにできるのは、その“自分で回す力”を、材料と燃料で支え、余計な邪魔をしないことです。

解毒は「二段構え+送り出し」

肝臓の解毒は、おおまかに三段階です(詳しく覚えなくて大丈夫)。

  1. 第一段階(変換)——毒物や薬を、扱いやすい形に化学変化させる。
  2. 第二段階(抱合)——そこに小さな分子をくっつけて、水に溶けやすくする。これで尿や胆汁へ出せる形になる。
  3. 第三段階(送り出し)——胆汁や尿として、体の外へ。

そして、この一段一段に「材料」が要ります。ビタミンB群、マグネシウム、亜鉛、セレン、そしてアミノ酸(タンパク質)——これらが欠けると、解毒という工場は、職人がいても部品がなく、手が止まってしまいます。「不要なものを出す」という解毒は、栄養という材料がなければ、そもそも成り立ちません。 職人(酵素)がいても、部品(ビタミン・ミネラル・アミノ酸)がそろわなければ、工場は手を止めてしまう——肝臓の解毒とは、そういう仕組みなのです。

肝臓の解毒の二段構えの図。第一段階(変換)はビタミンB群・鉄・マグネシウムが材料、第二段階(抱合)はアミノ酸が材料でネコさんはグルタチオン・タウリン抱合に頼る、第三段階(送り出し)で胆汁・尿へ。材料の栄養が欠けると解毒の工場は止まる。

ネコさんは「少数精鋭型」、ワンちゃんは「万能型」

肝臓の第二段階(抱合)には、実は何種類もの経路があります。ここに、ネコさんとワンちゃんの大きなちがいが隠れています。

  • ワンちゃん=万能型。多くの経路をバランスよく使えるので、中毒への強さも比較的あります。
  • ネコさん=少数精鋭型。ある経路(グルクロン酸抱合)が生まれつき弱く、そのぶんグルタチオン抱合とタウリン抱合という“得意技”に大きく頼っています。

ネコさんのこの弱さは、フェノール類という一部の物質の処理が苦手、ということ。だからアセトアミノフェン(人用の解熱鎮痛薬)や精油(アロマ)に、ワンちゃんや人よりずっと弱いのです。ネコさんに人用の解熱鎮痛薬は絶対に与えてはいけませんし、精油は舐められる場所への使用も空気中への拡散も避けてください(この危険については、第6章でもあらためて触れます)。

ここで、意外な事実があります。“万能型”のはずのワンちゃんのほうが、じつは肝臓・胆管まわりの病気は多いのです。これは、「万能だから大丈夫」と食生活が大ざっぱになりがちな裏返し、とも読めます。だからこそ、ワンちゃんは、ネコさんの繊細な解毒の在り方を“見習う”と、その万能さがもっと活きてくる——私たちはそう考えています。

「デトックス」との、はっきりした線引き

念のため申し上げます。世間でいう“デトックス”や“肝クレンズ”——「サプリで、溜まった毒を抜き出す」「肝臓の解毒力を、通常以上に引き上げる」——こうした宣伝の、どちらにも確かな裏づけはありません(それどころか、一部のサプリは、かえって肝臓を痛めます)。

私たちが言う「解毒を支える」は、それとは別物です。その子自身がもともと持っている解毒の仕組みが、ちゃんと回るように、材料(栄養)を満たし、余計な負担を減らす——これだけです。派手さはありませんが、これが本物です。

確実な土台① 食事とタンパク質 ―「低タンパク」より「低脂質」

「肝臓が悪い=タンパク質を減らす」と、長く言われてきました。これは、もう古い考えです。

肝臓は再生する臓器。その再生には、材料であるタンパク質(アミノ酸)がむしろ必要です。安易にタンパク質を削ると、筋肉が落ち、血液のタンパク(アルブミン)が下がり、かえって回復を遠ざけてしまいます。とくにネコさんは真性の肉食獣で、タンパク質を減らすことに身体が適応できません。

(※ごく重い肝臓病で、アンモニアが処理できず神経症状〈ふらつき・夜鳴き・ぼんやり〉が出る「肝性脳症」という状態のときだけは、タンパク質の量や種類を調整します。これは獣医さんの指示のもとで行う特別な場面です。ふだんの肝臓ケアの話ではありません。)

では、何を控えるのか。多くの場合、控えるべきは“脂質”のほうです。

  • 必要なタンパク質は、質のよいものでしっかり摂る(無理に「高タンパク」に振る必要もありません。“利用価値の高いタンパク質”に替えるのがコツ)。
  • 脂質は控えめに。もともと脂肪の高すぎるごはんは、肝臓の負担になります。

ただし、ここで間違ってはいけないことは、“単独での高タンパク”は、肝臓にも腎臓にも良くないということです。 肝臓と腎臓は“解毒の両輪”。タンパク質を活かすには、それを代謝するためのビタミンとミネラルを一緒に強化しなければ、どちらの臓器も守れないのです。

「食べられないこと」そのものが、要注意

肝臓の話で、ワンちゃんもネコさんも共通して、いちばん怖いのが脂肪肝(肝リピドーシス)です。

きっかけは、ちょっとしたこと——ストレス、環境の変化、他の不調、ごはんの急な切り替えで、数日食べない。すると、体に蓄えた脂肪が一気に肝臓へ動員され、肝臓の処理能力を超えて溜まり込みます。そして「食べない→脂肪が溜まる→気持ち悪くて食べない」という悪循環に入ってしまう。とくに太り気味の子で起こりやすく、ネコさんに多いのですが、ワンちゃんも無縁ではありません

だからこそ——「食べない」を、様子見で放置しないでください。 食べられる状態を保つこと、良質なごはんを切らさないことが、肝臓ケアの何よりの土台です。“食べてくれること”が、いちばんの薬になる時期があります。食べやすい温度・質感・水分に整える、その子が好むものを選ぶ——工夫を惜しまないであげてください。

(血液検査でALTだけが基準を超え始めたとき、私たちはそれを“肝臓の変化(脂肪肝を含む)の入口かもしれない”サインとみて、早めの警戒をお願いしています。とくに、太り気味で食欲が落ちている子は、なおさらです。)

ほとんど食べない状態が続く・嘔吐がある・急に元気が落ちた・白目や歯ぐきが黄色いときは、様子を見ず、早めに受診を。とくにネコさんの絶食は、脂肪肝の緊急事態です。

確実な土台② 肝臓を働かせる栄養 ―「届ける」と「減らす」

肝臓ケアの栄養は、「必要なものを届ける」「負担になるものを減らす」の両輪で考えると、すっきりします(治すお薬ではなく、栄養面から土台を支える考え方です。具体的なアイテムは、記事末にまとめています)。

① 肝臓に負担をかけるものを、腸から届けない

肝臓は、処理した“不要なもの”を、胆汁にのせて腸へ送り出します。ところが胆汁には、脂肪の消化を助ける「胆汁酸」という“再利用したい大切な成分”も含まれていて、身体はこれを腸の終わりでもう一度回収し、肝臓へ戻して使い回します。これを腸肝循環(ちょうかんじゅんかん)といいます。問題は、この“回収の仕組み”に乗って、本来は捨てたい“不要なもの”まで「ついで」に再吸収されてしまうこと。せっかく腸まで出した毒素が、また肝臓へ戻ってきてしまうのです。だからこそ、消化のよい炭水化物と食物繊維で不要なものを胆汁酸ごと便へからめ取り、質のよい食事で余計な添加物・残留物をそもそも入れない。腸を整えることが、肝臓の負担を“根元から”減らします。

腸肝循環の図。肝臓が胆汁を腸へ送り、腸の終わりで胆汁酸を回収して肝臓へ戻す再利用の仕組み。その『ついで』に不要物も再吸収されるが、食物繊維が不要物をからめ取って便へ出すことで逆戻りを断つ。

② 肝臓の再生に必要な栄養を届ける

再生の材料は、良質なタンパク質と、それを回すビタミンB群です。

③ 肝臓の“抱合”に必要な栄養を届ける

第二段階の抱合には、アミノ酸が材料そのものになります。とくにネコさんが頼るタウリン抱合——タウリンは、ネコさんが体内で作れないため、食事で切らさず摂る必要があります。

ワンちゃんにこそ、タウリンを。

じつはドッグフードには、タウリンの強化がほとんどありません。けれどタウリンは、ワンちゃんの胆汁づくり(タウリン抱合)にも欠かせない栄養です。私たちは、肝臓のご相談をいただくワンちゃんにも、タウリンを積極的にお使いいただいています。「ワンちゃんはネコさんの解毒を見習って」——その具体的な一歩が、タウリンなのです。

④ ビタミンCで、肝臓の“手間”を減らす

ワンちゃん・ネコさんは、ビタミンCを自分の肝臓で作れます。そのため、ペットフードでは軽視されがちです。けれど、考えてみてください。

  • 肝機能が落ちれば、その“自前で作る”力も落ち、ビタミンCが不足するおそれがあります。
  • そもそもビタミンCは、免疫や、たくさんの酵素の補助役として、とても多くの役割を担っています。肝臓が健康な子でも、本当に足りているのか——私たちは疑問に思っています。
  • そして何より、ビタミンCを“作らなくてよい”なら、肝臓はその手間を省いて、その力を“肝細胞の再生”に回せるのではないか——これが、NinnaNannaの考えです。

だからこそ、弱った肝臓には、ビタミンCを外から届けてあげたいのです。

⑤ 肝臓の負担を軽くする

脂質は控えめに。負担を減らすことも、立派なケアです。

⑥ 酸化のダメージを受け止める(抗酸化)

解毒の過程では、避けられない“燃えカス”(活性酸素)が出ます。放っておくと肝臓をはじめ全身の細胞を傷つけるので、身体はもともと、これを消す仕組みを持っています。その主役がグルタチオンや、SOD(活性酸素を消す酵素)。これらを働かせる材料が、含硫アミノ酸(システイン・メチオニン)・セレン・亜鉛・銅・マンガンといった栄養です。ですから、まずはこの“身体本来の抗酸化”を、栄養でしっかり満たすことが土台になります。そのうえで、それでも受け止めきれない酸化の負担を、外から支えます。

ひとつ注意。「摂ればよい」ではありません。

たとえば、良かれとメチオニン(硫黄アミノ酸)を“添加物として”摂りすぎると、かえって血管を傷つけ心臓に負担をかけることがあります。だから私たちは、こうした栄養を“単体でどっさり”ではなく、タンパク質の代謝の中で、釣り合いよく満たすことを大切にしています。脂溶性ビタミン(A・D)や鉄・銅・亜鉛も、単独のサプリメントで摂ることは、栄養の釣り合いを大きく崩す元になります。「材料は満たす、けれど単体で盛りすぎない」——これが要です。

肝臓の解毒に、とりわけ必要な栄養は、アミノ酸(タウリン・システイン・メチオニン・グルタミン酸・グリシン)/ビタミンB群/マグネシウム/亜鉛/セレン/モリブデン/コリン/ベタイン。これはネコさん・ワンちゃん・人で違いはありません。シッポたちのお口が、良質な高タンパクを選びたがる理由が、ここにあります。

そして忘れてはならないのは、肝臓の“再生”まで考えれば、必要なのは、これらだけではないということ。壊れた細胞を新しく作り直すには、結局、身体を支えるすべての栄養が、過不足なく要ります。だからこそ、土台となる良質な食事と、その子に足りない分を見極めて補う栄養が、肝臓ケアの芯になるのです。

見落とされがちな話 ― 肝臓は「石灰化のブレーキ」を作っている

ここからは、あまり知られていない、けれど大切なお話です。

身体には、あちこちに石灰(カルシウム)が“あってはいけない場所”に溜まってしまう石灰化という現象があります。血管、心臓、胆道——炎症や傷んだ組織を足場に、石灰が沈着していく。歳を重ねた子で、静かに進むことがあります。

じつは身体は、これを能動的に“抑えて”います。そのブレーキ役の一つ「フェチュインA」というタンパク質は、肝臓で作られています(もう一つのブレーキ役はビタミンKが必要です)。フェチュインAは石灰化を抑える仕組みの“一つ”にすぎませんが、肝臓が元気であることは、こうした「石灰化を抑える力」を保つことにもつながっている——肝臓の奥深さを示す一例です。

肝臓は石灰化のブレーキを作る図。カルシウムが血管や心臓など『あってはいけない場所』に溜まる石灰化を、フェチュインAというタンパク質が抑える。そのフェチュインAは肝臓が作っているので、肝臓を守ることは石灰化を抑える力を守ること。

そして、カルシウムそのものについて。カルシウムは「足りない害」も「余る害」もある栄養素です。

  • 足りないと——身体は血液のカルシウム濃度を保とうと、骨を溶かして補おうとします(このとき副甲状腺ホルモンが働き続けます)。生肉ばかりのような偏った食事では、これが起こり、骨がもろくなることが知られています。
  • 余っても——余分なカルシウムは、あるべき骨ではない場所へ回りかねません。

(腎臓のページでお話しした「カルシウムパラドックス」=骨は減るのに、あるべきでない場所に溜まる——という逆説は、この骨と血管の話です。あわせて読んでいただけると、つながりが見えてきます。)

一方で、胆泥や胆石、胆嚢のトラブルの主な引き金は、カルシウムそのものではありません。胆汁の流れの滞り・ムチン(ねばり)の過剰・脂質の乱れ・ホルモンの病気(甲状腺や副腎)が本筋です。ですから、胆道を守る近道は、胆汁をきちんと動かす・脂質を整える・隠れたホルモンの病気を見つけること。ここでも、食事と全身を見る目が効いてきます。

サインを見のがさない ― 黄疸・胆泥・そして水分

黄疸(おうだん)は、「様子見」してよいサインではない

黄疸は、血液の中のビリルビンが増えて、身体が黄色くなる状態です。どこで滞っているかで、原因が大きく変わります。

どこの問題?主な原因(ワンちゃん・ネコさん)
① 血(溶血)
赤血球が壊れすぎ
ワンちゃん:免疫の病気・玉ねぎ中毒など/ネコさん:ヘモプラズマ(旧称ヘモバルトネラ)・アセトアミノフェン中毒など
② 肝臓そのものネコさん:脂肪肝・胆管炎/ワンちゃん:慢性肝炎・中毒・腫瘍
③ 出口の詰まり
(胆道閉塞)
胆石・胆嚢の粘液嚢腫(ワンちゃん)・膵炎・三臓器炎(ネコさん)

見るところ:白目、歯ぐき、口の中(上あご)、耳の内側、皮膚。そしておしっこが濃いオレンジ〜褐色になるのも早いサインです。

受診の目安

  • 歯ぐきや白目が黄色い → 理由を問わず、その日のうちに受診
  • ネコさんが1日以上食べない+黄色い → 脂肪肝の緊急事態
  • 歯ぐきが白い+黄色い+ぐったり → 溶血の緊急事態
  • 嘔吐・お腹の痛み+黄色い+灰白色の便 → 胆道の詰まり・膵炎の疑い

胆泥は、あわてない ― でも粘液嚢腫は別

超音波で「胆泥(たんでい)がある」と言われることがあります。これは胆汁が濃く泥状になったもので、とくにワンちゃんで多く、その多くは症状のない“たまたま見つかる所見”です。すぐに病気というわけではありません。慌てないでください。

一方、胆嚢粘液嚢腫は、胆嚢がゼリー状の粘液で満たされる状態で、進行すると胆管の詰まりや胆嚢の破裂につながります。超音波では、胆泥が重力で動くのに対し、粘液嚢腫は動かない“キウイの断面”のような放射状の像が特徴です。症状がなく検査値が正常でも存在しうるため、見分けと経過観察は超音波が頼りになります。

水分 ― 脱水と黄疸のときは、しっかりと

肝臓が弱ると、解毒のために水分が要ります。脱水は大敵。ドライフードはふやかし、ウェットには水分を足し、良質な水をしっかり。そして——脱水しているとき、黄疸が出ているときは、皮下輸液で水分を補うことが必須になります。 かかりつけの獣医さんと相談しながら、その子に必要な水分を切らさないであげてください。

気をつけたいこと ― お薬とのつきあい方

肝臓・胆道の不調で、よく処方されるお薬にウルソ(ウルソデオキシコール酸)があります。胆汁の流れを助ける目的で使われ、胆汁うっ滞のある肝臓病で、標準的な選択肢の一つとされています。けれど、知っておいていただきたいことがあります。

  • ウルソは“人用の医薬品”です。犬猫には、獣医療用として安全性が確かめられて承認された薬ではなく、適応外で使われています。
  • 副作用もあります——下痢や消化器の不調、肝酵素の上昇、まれに間質性肺炎。人の医療では、妊婦・授乳中・高齢者には注意が必要とされる薬です。
  • 人の医療なら、こうした副作用は必ず説明されます。けれど動物医療では、その説明が飼い主さんに届かないことが少なくありません。「他に選択肢がないから」という理由だけで、長く使われ続けていることもあります。

私たちは、お薬を頭から否定するつもりはありません。必要な場面はあります。けれど——すべての医薬品は、必ず副反応を伴います。だからこそお伝えしたいのは、その副反応をカバーするのも、ごはんの仕事だということ。お薬で滞りを助けながら、その裏で身体が受ける負担を、良質な食事と栄養で支えていく。「薬か、ごはんか」ではなく、「薬の負担も、ごはんで受け止める」——それが、その子の身体全体を守る考え方です。

(※お薬について気になることは、自己判断でやめたり減らしたりせず、まず処方した獣医さんにお尋ねください。そのうえで、食事・栄養で何ができるかは、私たちもご一緒に考えます。)

獣医さんの前では我が子の説明が上手くできない方、思うように質問できない方は、どうぞご遠慮なくお声がけください。

NinnaNannaのサプリメントの位置づけ

最後に、正直にお伝えします。サプリメントで、肝臓病を治したり、進行を止めたりはできません。それはお薬でも療法食でも同じです。世間で「肝臓にいい」と言われる成分(ミルクシスルなど)も、機序は理にかなっていて、検査の数値が良くなる報告はありますが、“治る・寿命が延びる”ことを確かめた質の高い試験は、まだありません

だからこそ私たちは、地味だけれど確実な土台——「食べられること」「良質なタンパク質を切らさないこと」「脂質は控えめに」「腸を整えて肝臓に負担を届けないこと」「毒になるものを入れないこと」——に軸足を置きます。サプリメントは、その土台を栄養面から支える補助です。CKDや心臓の持病がある子、お薬を使っている子は、その子に合った組み合わせを一緒に考えましょう。

結び

肝臓は、沈黙して頑張り、大きな予備を持ち、そして再生する——強い臓器です。けれど、その再生の力が残っているうちに、傷める原因を減らし、材料を満たしてあげること。手を打つのが早いほど、その子は応えてくれます。

数字や病名に追われるより、その子の“今日のごきげん”を物差しに。食事・水分・ビタミン・ミネラル・そして寄り添う気持ちを大切に。10シッポいれば、10とおり。その子だけの道を、一緒に探します。

迷ったとき、怖くなったとき、いつでも私たちに声をかけてください。

サプリメントに関するアンケート

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商品一覧

NinnaNannaDelica/ビタミンBコンプレックス

¥1,716(税込)

NinnaNannaDelica/ビタミン・ミネラル+アミノ

¥3,231(税込)

NinnaNannaDelica/無添加・天然由来ビタミンC

¥442(税込)

ニンナナンナ デリカ/ヴォルカーノ(解毒のミネラル)/80g

¥2,428(税込)

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NinnaNannaDelica/NMN原末

¥1,537(税込)

NinnaNannaDelica/MSM

¥2,133(税込)

レバスパンA

¥4,290(税込)

NinnaNannaDelica/アルティジャーノ液体酵素

¥1,652(税込)

MRN-100 高機能π(パイ)ウォーター

¥886(税込)

フルーツザイム

¥3,600(税込)

NinnaNannaDelica/ニンナナンナ・ブースト

¥1,196(税込)

C&R/アスコルベイト+

¥1,529(税込)

ニューサイエンス/マルチミネラルビタミン/180カプセル

¥9,504(税込)

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NinnaNannaDelica/オーガニック インカインチ プロテイン/180g

¥1,944(税込)

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【セール】ニンナナンナ デリカ/カルシウム

通常価格: ¥762(税込)

価格: ¥534(税込)

SPIRITa(スピリッタ)天然タウリン

¥671(税込)

ルンブルQ/60粒

¥12,960(税込)

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MRN-100 高機能π(パイ)ウォーター

¥886(税込)

健康茶タヒボNFD/ニューティーバッグ/5g×30包

¥21,600(税込)

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波動水/バイオスO2-S/2L/1本

¥1,805(税込)

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レバスパンA

¥4,290(税込)

ストレリチアK(旧商品名:Charge-K)/50g

¥12,430(税込)

購入数

フルーツザイム

¥3,600(税込)

NinnaNannaDelica/アルティジャーノ発酵野菜

¥999(税込)

NinnaNannaDelica/アルティジャーノ液体酵素

¥1,652(税込)

C&R/ベジタブルエンザイム

¥1,639(税込)

C&R/ビタミンBコンプレックス

¥1,298(税込)

アズミラ/テイスティービタミンミックス

¥3,421(税込)

ヘルプZ(パパイヤ酵素)

¥1,947(税込)

在庫切れ

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ナンナさんのコラム

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