症状別サプリメント/口腔のために


口腔のために ― 正しく食べてお口を守る

口腔のために ― 3つのページでお話しします
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医療だけでは、手に入らないもの

歯石を取る。抜くしかない歯を抜く。治りにくい口内炎の歯ぐきを切り取る。お口の病気には、医療でなければできないことがあります。必要なときには、元気なうちに、その力を借りてください。

けれど、治療は、病気になったところを取り除くものです。取り除いたあとのお口を作り直すのは、からだの仕事です。

  • 傷ついた歯ぐきや粘膜を、新しい細胞で作り直す
  • 歯を支える骨を、毎日少しずつ作り替える
  • お口の菌と戦い、炎症を鎮める
  • 腸の細菌のバランスを整え、免疫の働きを支える

この仕事に使われる材料は、どれも、毎日のごはんからしか届きません。 お薬が、材料の代わりになることはありません。

当店がお口の悩みのご相談で、まずお尋ねするのは、毎日のごはんのことです。治療を受けても、ごはんでからだを整えなければ、お口の病気は繰り返します。だからこそ、治療とからだ作りは、両建てで進めていただきたいのです。

このページでは、お口を作り直す材料、歯と骨を支えるミネラル、腸を整えるごはん、そして、お口が痛い子のための食べ方の工夫をお話しします。

治療とからだ作りの両建て。治療は歯石を取る・歯ぐきの中を掃除する・抜くしかない歯を抜く・残った根を取り除く。からだ作りは粘膜と歯ぐきの材料・ビタミンB群とC・腸を整える・骨を支えるミネラル・炎症と戦う力を毎日のごはんで。栄養のバランス・抗生剤による腸の乱れ・麻酔で体調を崩すことが整わないと、繰り返す

第1章 お口の粘膜と歯ぐきの材料

お口の粘膜は、からだの中でも、とても入れ替わりの速い場所です。新しい細胞が次々に生まれて、古い細胞と入れ替わっています。歯ぐきは、コラーゲンという線維でできた丈夫な組織で、歯をしっかり包んでいます。

入れ替わりが速いということは、それだけ材料をたくさん使うということです。材料が足りなくなると、まずお口に表れます。

たんぱく質(アミノ酸)

粘膜の細胞も、歯ぐきのコラーゲンも、炎症と戦う免疫の細胞も、すべてアミノ酸からできています。

  • グリシン・プロリン・リジン
    コラーゲンの主な材料。コラーゲンの3分の1はグリシンでできている。
  • グルタミン
    腸やお口の粘膜の細胞が、エネルギー源として使う。
  • アルギニン
    傷を治す働きや、血の流れを保つ物質(一酸化窒素)の材料になる。
  • システイン・グルタミン酸・グリシン
    からだを酸化から守る物質「グルタチオン」の材料。炎症の場所では、活性酸素がたくさん生まれる。
  • メチオニン
    システインの元になる。

ここに挙げたのは、お口と関わりの深いアミノ酸の、ごく一部です。からだのたんぱく質は、およそ20種類のアミノ酸でできていて、そのどれもが、どこかで使われています。

アミノ酸は、お肉・お魚・卵などの良質なたんぱく質から届きます。ただし、たんぱく質ばかりを多くすればよいのではありません。 消化しきれないたんぱく質は、腸の中で悪い菌のえさになり、腸の環境を崩します。当店は、たんぱく質の量よりも、からだが使いこなせているかを大切にしています(第3章)。

ビタミン

ビタミンが足りなくなると、まずお口に症状が出ることがあります。そのことは、ワンちゃんでもネコさんでも、昔から知られています。

  • ナイアシン(ビタミンB3)
    ワンちゃんで足りなくなると、上唇の内側が赤くなり、頬や喉の粘膜がただれ、血の混じったよだれが出る。「黒舌病」と呼ばれた病気で、ナイアシンという栄養素が見つかるきっかけになった。ネコさんは体の中でナイアシンをほとんど作れず、足りなくなると、お口の粘膜と舌が赤くなり、ただれる。
  • ビタミンB2
    人では、足りなくなると口角炎・唇の荒れ・舌の炎症が起きる。粘膜の細胞が、エネルギーを作るのに使う。
  • ビタミンB6
    アミノ酸を使いこなすのに欠かせない。人では、足りなくなると口角炎や舌の炎症が起きる。ネコさんは、ワンちゃんより多く必要とする。
  • 葉酸・ビタミンB12
    新しい細胞を作るのに欠かせない。入れ替わりの速い粘膜は、その影響を真っ先に受ける。重い歯周病のワンちゃんでは、血液中の葉酸が約28%低かったという研究がある。ネコさんは、腸の病気があるとビタミンB12が下がりやすい。
  • ビタミンB1・パントテン酸・ビオチン
    細胞がエネルギーを作るのに使う。B1は熱にとても弱い。
  • ビタミンC
    コラーゲンを作るのに欠かせない。人では、足りなくなると歯ぐきが腫れて血が出る(壊血病)。活性酸素を消し、炎症の場所で使われる。
  • ビタミンA
    粘膜を保ち、お口の入口のバリアを守る。ネコさんは、野菜のカロテンからビタミンAを作れないので、動物性の食べ物から摂る必要がある。
  • ビタミンD
    カルシウムを腸から取り込み、骨を保つ(第2章)。ワンちゃん・ネコさんは、日光を浴びても皮膚でほとんど作れない。
  • ビタミンE
    細胞の膜の脂が、酸化で傷むのを防ぐ。

ここに挙げたのも、お口と関わるビタミンの働きの、ごく一部です。ビタミンどうしは、互いに支え合って働いています。

人では、歯周病の手術のあとにビタミンB群を飲んだ人のほうが、歯ぐきの回復が良かったという研究があります。ビタミンCを足すと、歯ぐきからの出血が減ったという報告も重なっています。

ビタミンB群は水に溶けるビタミンで、その多くは、からだに長くためておくことができません。毎日、届け続ける必要があります。 ビタミンCは、ワンちゃん・ネコさんが体の中で作ることができます。けれど、お口に炎症を抱える子のご相談を受けていると、十分な量ができているとは感じられません。

ミネラル

  • 亜鉛
    粘膜と皮膚の入れ替わり、傷の治り、免疫の働きに欠かせない。活性酸素を消す酵素の部品にもなる。人では、口臭のもとになる物質を抑える働きが知られている。
  • 銅
    コラーゲンの線維どうしをつなぎ、丈夫にする酵素の部品になる。
  • 鉄
    酸素を運ぶ。人では、足りなくなると舌の炎症や口角炎が起きる。
  • セレン・マンガン
    活性酸素を処理する酵素の部品になる。
  • カルシウム・マグネシウム・リン
    歯と、歯を支える骨を作る(第2章)。

ここに挙げたのも、ミネラルの働きのごく一部です。ミネラルは、からだの中で作ることができません。すべて、食べ物と水から届けるしかありません。

私たちの考え

お口に悩みのある子のごはんを伺うと、どこかで、材料が足りていないことがほとんどです。

既製品のフードは、高い温度で加工されます。ビタミンB1、B6、葉酸、ビタミンCなどは、熱や水への溶け出しで減ります。総合栄養食の基準は、健康な子のための最低ラインです。炎症と戦い、粘膜を作り直すために余分に使われる分までは、見込まれていないと当店は考えています。

手作りごはんであればよい、というわけでもありません。ほとんどの一般的な手作りごはんは、失敗ごはんと申し上げてよいでしょう。シッポたちが1日に食べられる量は限られていて、その量の食材だけで、すべての栄養を必要なだけ届けることは、とても難しいのです。

ですから当店は、既製品のフードでも、手作りごはんでも、ビタミンとミネラルの補充は欠かせないと考えています。何をどれだけ補うかは、その子のごはんと体格、体質、お口の状態で変わります。どうぞご相談ください。

お口を作り直す材料。お口の粘膜はビタミンB群・ビタミンA・亜鉛・グルタミン、歯ぐきはグリシン・プロリン・リジン・ビタミンC・銅、歯を支える骨はカルシウム・リン・マグネシウム・ビタミンD、炎症と戦う力はたんぱく質・ビタミンC・E・セレン・亜鉛。ビタミンB群とCはからだにためておけず、炎症があるとたくさん使われるので、毎日届け続ける

第2章 歯と骨を支えるミネラル

骨は、毎日作り替えられています

歯を支える骨(歯槽骨)は、一度できたら終わりではありません。骨を壊す細胞と、骨を作る細胞が、毎日少しずつ作り替えています。歯周病は、このバランスが「壊す」側に傾いた状態です。

骨を作るには、次のような材料が必要です。

  • カルシウム・リン
    骨の主な成分。
  • マグネシウム
    骨の結晶を整え、カルシウムの働きを調整する。
  • ビタミンD
    カルシウムを腸から取り込む。
  • たんぱく質(コラーゲン)・ビタミンC・銅・マンガン
    骨の土台になる線維を作る。
  • 亜鉛
    骨を作る細胞の働きを支える。

カルシウムが足りないと、骨から取り出されます

血液のカルシウムの量は、とても狭い範囲に保たれています。食べ物からのカルシウムが足りなくなると、からだは、骨からカルシウムを取り出して、血液の量を保ちます。そのため、ごはんのカルシウムが足りなくても、ふだんの血液検査の数字は正常のままです。

お肉だけを与える手作りごはんなどで、カルシウムが大きく足りない状態が続くと、骨が溶けて柔らかくなります。顎の骨も例外ではありません。

「歯石が気になるから、カルシウムを減らしたほうがよいのでは」とご相談を受けることがあります。けれど、食べたカルシウムがそのまま唾液に出て歯石になる、という単純な話ではありません(「お口で起きていること」のページ)。カルシウムを減らせば、弱るのは、歯を支える骨のほうです。

マグネシウムは、お口の要です

マグネシウムは、骨と歯を保つだけでなく、からだの何百という酵素の働きに関わっています。そして、カルシウムと同じく、足りなくなっても、ふだんの血液検査には表れにくいミネラルです。

当店は、お口の悩みのある子には、まずマグネシウムを含めたミネラルの見直しをお勧めしてきました。歯みがきができない子にも、ごはんでできることがあります。

お薬と骨

ステロイドを長く使うと、骨が薄くなることが、人ではよく知られています。腸からのカルシウムの吸収が減り、尿に出ていくカルシウムが増え、骨を作る細胞の働きが抑えられるためです。

お口の病気でステロイドを長く使っている子は、歯を支える骨のためにも、ごはんのカルシウム・マグネシウム・ビタミンDを不足させないようにしてください。ただし、カルシウムやビタミンDは、多すぎても害になるため、単独でのサプリメントを使用することは避けてください。当店ではどの子にも安心してご利用いただけるアイテムをご用意しています。お薬との付き合い方は、「お口の病気と治療の選び方」のページでお話ししています。

お迷いの際はご遠慮なくお声がけください。

第3章 腸を整えるごはん

お口の答えは、腸にあります

お口と腸は、1本の管でつながっています。お口の菌は、唾液と一緒に毎日おなかへ運ばれ、からだの免疫の多くは腸に集まっています。当店は、20年以上のご相談を通じて、お口の悩みのある子のほとんどが、おなかの悩みも抱えていることを見てきました(「お口で起きていること」のページ)。

当店で原材料を見てみた、歯石や口臭のためのサプリメントは、乳酸菌やオリゴ糖、食物繊維など、腸に向けた原料を中心にしたものばかりでした。 お口の悩みの答えが腸にあるなら、歯石が取れる理由の分からない商品に頼る前に、毎日のごはんで腸を整えることが本筋です。

腸の細菌を育てる

  • 食物繊維
    腸の細菌のえさになり、腸の粘膜を守る物質(短鎖脂肪酸)を作らせる。野菜・海藻・イモ類・質の良い穀物から届く。
  • 発酵した食べ物
    発酵の過程でできた成分が、腸の細菌のバランスを助ける。
  • 質の良い炭水化物
    消化しやすく加熱した、穀物やイモ類。腸の動きを整える。

元気な腸管免疫を作るために必要な菌のバランスは、1頭1頭異なります。そのため、外から摂った菌の多くは、腸に長くすみつくわけではありません。役に立つ場合も、おなかを通り過ぎる間だけ働いていると考えられています。

けれど、必ずしも役に立つとは限りません。その子の細菌叢にとって仲間でない菌が入ってくれば、からだは異物として、下痢で外へ出そうとすることもあります。乳酸菌には多くの菌株があり、働きは菌株ごとに異なります。ある菌株で確かめられた働きを、別の菌株の製品にそのまま当てはめることもできません。

そのため当店では、ネコさんやワンちゃんの腸に住み着きにくいと分かっている乳酸菌類を、サプリメントとしておすすめすることはありません。おなかの中の菌たちを育てることで、腸管免疫と口腔免疫の安定を目指しています。

からだは1つです。自分の腸にいる菌を、ごはんで育てることが大切です。腸の細菌の育て方は、「胃腸のために」のページでも詳しくお話ししています。

消化しやすいごはん

消化しきれなかったものは、腸の中で悪い菌のえさになります。たんぱく質や脂肪が多すぎて、使いこなせていないごはんは、腸の環境を崩し、それがお口にも表れます。

  • ふやかす
    ドライフードは、ぬるま湯でふやかしてから。消化しやすくなり、食べ物から水も届く。
  • 細かくする
    ミルサーなどで細かくすると、消化されやすくなる。お口が痛い子にも食べやすい。
  • 消化を助ける
    消化酵素は、消化しにくいたんぱく質や脂肪を、腸が使いやすい形にする手助けになる。
  • 適量の炭水化物と食物繊維
    炭水化物や食物繊維は、腸内細菌たちのエサとなり、住処となります。彼らを育てることで、細菌叢の育成(腸管免疫の向上)が、口腔免疫の安定に繋がります。
  • 量より、使いこなせているか
    たんぱく質や脂肪を増やす前に、ウンチを見る。

ウンチで確かめる

ごはんが合っているかどうかは、ウンチが教えてくれます。硬さ、色、におい、量、回数。においが強い、形が崩れる、粘液がつく、といった変化があれば、腸はまだ整っていません。腸の環境が整ってくると、口臭が減っていくことも、当店は多くの子で見てきました。

抗生剤を使ったあとは

歯周病や口内炎の治療で抗生剤を使うと、お口の菌と一緒に、腸の細菌も減ります。抗生剤を使ったあとは、いつも以上に、腸の手当てを続けてください。

水

水は、唾液の材料です。唾液は、お口を洗い流し、酸を中和し、菌の増えすぎを抑えています。水が足りないと唾液が減り、お口は乾き、ねばつきます。ドライフードをふやかすことは、消化の良さだけでなく、水分不足を補います。自分で飲む水よりも、ふやかしたごはんから摂る水の役割のほうが大きいのです。

お口・腸・栄養はつながっている。お口の菌と炎症はおなかへ、腸の不調でビタミンB群の吸収が落ち、栄養が足りないとお口の粘膜に出る。だから、お口の手当ては腸とごはんの手当てと一緒に行う

第4章 お口が痛い子のごはん

お口が痛い子にとって、毎回のごはんは、痛みとの戦いです。けれど、食べられないことが、いちばんの問題です。食べられない日が続けば、からだは痩せ、免疫も落ち、治る力そのものが失われていきます。

ごはんの形 ― 角がない・小さめ・適度なとろみ

  • 角がない
    硬い粒や、とがったものは、腫れた歯ぐきや粘膜に当たって痛む。
  • 小さめ
    大きな塊は、噛まないと飲み込めない。小さく刻む、お団子にする、ソース状にする。
  • 適度なとろみ
    さらさらの水分はむせやすく、粘りが強すぎると口に残る。舌でまとめて飲み込みやすい、ほどよいとろみに。

具体的には、次のような方法があります。

  • ドライフードはふやかしてから、ミルサーで細かくする
  • 塊のウェットフードは、包丁で食べやすい大きさに
  • 粘るものは、ひと口で飲み込める大きさのお団子に
  • なめて食べる子には、ソース状やペースト状に
  • 粉にしたドライフードは、水分を足して柔らかいお団子に

温度

人肌(37℃前後)に温めると、消化力を上げるだけでなく、香りが立ち、食べる気持ちを助けます。7歳以上のネコさんが、冷たいごはんより37℃に温めたごはんを好んだという研究があります。逆に25℃程度が食べやすいネコさんもいます。熱すぎると、ただれた粘膜にしみるため注意してください。温めの際は必ず湯煎で行ってください。電子レンジはどんな時もご利用になりませんようお願いします。

食べ方

  • 小皿で、少しずつ、何度もお代わり
    お口が痛い子は食べることを怖がります。「食べられた♪」の達成感が必要です。一皿ずつ、褒めながら、ゆっくりと食べさせてください。
  • 食べたい時間に合わせる
    夕方から夜中にかけて食欲が上がる子が多いです。その時間帯に、ごはんを集中してください。
  • 食べる前に、お口を湿らせる
    よだれが粘ってくると、痛みが強いサインです。食べる前にお口を湿らせると、食べやすくなる子がいる。
  • 食事の場所を固定しない
    お口が痛い子は、過去に痛まずに食べられた場所を覚えています。食べたい場所で食べさせることも、リラックスに繋がります。
  • 食前にビタミン・ミネラルを
    ビタミン・ミネラルがおなかに入ると、食欲増進に繋がります。ごはんに増量できない場合は、ごはんの前にシリンジなどで食べて貰うのも良いでしょう。
  • 食べたあとに、お口をすすぐ
    歯ぐきと唇の間に残ったごはんを、シリンジで少量の液体を流して洗い流す。むせないよう少量ずつ、頭を上げすぎずに。嫌がる子には無理をしない。少量でも目的が果たせるお水を選びましょう。

お迷いの際はご遠慮なくお声がけください。

噛み食べと、舐め食べ

痛みがあっても、シッポたちは自分で、舌の使い方や、ごはんを送り込む場所を工夫して食べようとします。

炎症部分が喉に近いほど、飲み込むことが辛くなります。グラつく歯があれば、かみ合わせが悪くなり、噛むことを怖がります。消化不良が伴う場合は、好きでもドライフードが食べにくくなります。

噛んで食べる子か、舐めて食べる子かを見極めて、その子が食べやすい形を選んでください。

固形のごはんにこだわりすぎる必要はありません。けれど、目の前の食べやすさだけを優先して、好きなものばかりを差し上げていると、治りが遅れます。 食べられる形の中で、栄養のバランスを保つことを忘れないでください。

歯を抜いたあと

傷が治るまでは、やわらかいごはんや、ふやかしたごはんにします。歯ぐきの傷が治るまでは、歯みがきは休んでください。たくさんの歯を抜いたネコさんでも、傷が治れば、多くの子がふつうにごはんを食べています。

自分から食べられないとき

痛みで食べられない日が続くときは、シリンジなどでごはんを食べてもらうことになります。痛む場所を避けて、むせないよう、少量ずつ、ゆっくり。が基本です。空腹ですから、少量でも成功すれば、食べられたことをちゃんと学習しています。気負わず・恐れず食べさせてください。詳しくは、「重い食欲不振のために」のページでお話ししています。迷われたら、どうぞご相談ください。

シリンジでの強制給餌も難しいときは、食道に細いチューブを通して、ごはんを届ける方法もあります。お口を通らずにごはんを届けられるので、お口の痛みがある子に向いています。回復すれば簡単に外して差し上げられます。チューブについても、「重い食欲不振のために」のページでお話ししています。

お口が痛い子のごはん。角がなく、小さめに刻む・お団子・ソース状にし、適度なとろみをつける。人肌(37℃前後)に湯煎で温める。小皿で少しずつ何度もお代わりし、食べる前にお口を湿らせる

第5章 フェレちゃんのごはん

フェレちゃんのお口の病気は、ワンちゃんによく似ていて、歯肉炎や口内炎が多く見られます。当店では、フェレちゃんのお口は、外科ではなく、からだ全体の手当てで守ることを基本にしています。

フェレちゃんは、腸が短く、食べたものが速く通り過ぎてしまいます。そのため、次のことを大切にしています。

  • ふやかす
    ドライフードは、どの年齢でも必ずふやかす。細かくしてから、ぬるま湯で。
  • 質の良い糖質を、一定量
    腸を通る速さを整えるために、穀物やイモ類などの質の良い糖質と、食物繊維が必要。小麦粉やおからなどの、質の低い糖質は避ける。
  • 消化を助ける
    ごはんごとに、消化の手助けと、ビタミン・ミネラルの補充を欠かさない。

フェレちゃんのごはんの基本は、「フェレットのゴハンの基本」のページでもお話ししています。

第6章 暮らしの中で、お口を守る

お口は、空気の入口でもあります

お口は、ごはんだけでなく、空気の入口でもあります。暮らしの中の化学物質や、大気の汚れを吸い込むと、からだの炎症は強くなります。当店では、空気の汚れがひどい時期に、歯ぐきの赤みや口臭が強くなる子を見てきました。引っ越しや家具の新調のあとに、歯ぐきの赤みが強くなった子もいます。暮らしの中の化学物質の減らし方は、「化学物質のために」のページでお話ししています。

寒さと乾燥

寒い季節は、お口の粘膜が乾き、血の流れも滞りがちです。お口の炎症は、冬に悪くなりやすいものです。寒ければ、自律神経のバランスが崩れ、炎症が酷くなります。乾燥は粘膜への刺激を強くし、ダメージを大きくしてしまいます。お部屋の温度は適温に、湿度は粘膜に優しい50〜60%を保ってください。

お口を殺菌しない

お口にすむ菌の多くは、悪い菌から粘膜を守る側の菌です。殺菌剤や強い成分の入った歯みがき粉、口臭スプレーで、菌をまとめて減らそうとしないでください。菌のバランスを整えることが、お口を守ります。

心の支え

お口が痛い子は、「痛い」「痛いのが怖い」という気持ちを抱えています。食器を見るだけで怖がる子もいます。痛みへの恐怖は、からだを緊張させ、血の流れも滞らせます。無理に口を開けさせない、食べられたらたくさん褒める。飼い主さんの穏やかな気持ちも、この子たちの支えになります。

むすび ― 治療と、からだ作りの両建てで

お口の病気は、お口だけの問題ではありません。腸とつながり、全身の状態を映しています。

必要な治療は、元気なうちに受けてください。そのうえで、毎日のごはんで、

  • お口の粘膜と歯ぐきを作り直す材料を届ける
  • 歯を支える骨のために、ミネラルを整える
  • 腸を整え、免疫の働きを支える
  • 痛みがあっても、食べられる形で、栄養のバランスを保つ

ことを続けてください。治療は、病気になったところを取り除くもの。その後のお口を作り直すのは、ごはんです。

できることから、できる範囲で。手がけた分だけ、結果は返ってきます。何をどれだけ補えばよいか、どんな形のごはんがよいか、迷われたら、どうぞお気軽にご相談ください。

口腔のためのサプリ・フード・お口のお手入れ

これらは治療薬ではなく、獣医さんの治療に代わるものではありません。持病があったり、治療中のお薬がある場合は、原材料と使い方をご確認のうえ、かかりつけの先生にもご相談ください。

サプリメントに関するアンケート




*NinnaNanna(ニンナナンナ)では、シッポを持つ家族の総称としてシッポちゃんと呼びます。
また 犬 をワンちゃん、猫 をネコさんと敬意を以て表現しています。



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ナンナさんのコラム

フード以外の商品は、
ネコちゃん・ワンちゃん・フェレットちゃん共通です。
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