ゴハン選びの参考に06


◆仔猫は下痢をするイキモノ!?

そう、思っていませんか??

人為的に下痢をさせて「下痢するモノ」と言われては、仔猫ちゃんも気分が悪いと思います。
もちろん、産んでくれた母ネコさんも。

センセは「仔猫には仔猫用ゴハンを」と仰います。
メーカーさんも、ショップさんも、ブリーダーさんも・・・
けれども、そこには「お母さんの目線」は何処にもありません。
だから、下痢をさせてしまうのです。

仔猫用ゴハンで下痢しない子もいますよね。
そのことについては、本ページの最後でお話ししますネ。

そこでまず、仔猫のゴハンの基礎を知るため、
【人の赤ちゃんの離乳の考え方】を予備知識としておさらいしてみましょう。


■「離乳」とは・・
赤ちゃんが母乳から母乳以外の食べ物を食べられるようになっていく途中過程を指します。
食事内容から見ると、液体 ⇒ 流動状 ⇒ 半固形食 ⇒ 固形食へと移行していきます。
この移行期に赤ちゃんは「飲み込む〜噛む事」ができるようになっていきます。

離乳が必要な理由は、成長に合わせて母乳だけでは栄養が不足してくるからですね。
液体や流動食を飲み込むだけであれば、
母乳の延長ですから特訓の必要などないわけですが、
今から80年を生きるための必要栄養素を摂取するには「咀嚼」は避けられません。
さらに、咀嚼は言葉を操るプロセスにも繋がります。

半固形食 ・固形食 を消化するには、
液体・流動食のみを消化する内臓のままでは対応しきれません。
離乳期の赤ちゃんの成長とは、身長、体重、脳、運動機能等の成長だけではなく、
様々な食材を受け入れ、消化し、代謝させる内臓の成長も同時進行が求められます。

そのため離乳食には消化能力と栄養要求に合わせたステージ/初期・中期・後期があり、
利用できる食材と加工方法に変化が求められます。
多様な食材を利用することで味覚の成長を促す事が出来るようになることから、
離乳食であっても食材の多様性を意識しなくてはいけません。
見た目の形状は、液体 ⇒ 流動状 ⇒ 半固形食 ⇒ 固形食と移行しますが、
栄養面ではそれぞれのステージに応じた「消化の良さ」が最重要課題ですから、

・高タンパク・高脂肪・高カロリーは避ける。
・ゆでる、すりつぶす、刻むと言った形状の工夫や
・加熱・加水といった消化を良くするための調理
・納豆などの発酵食品で消化を助ける


なども必要ですね。

「あの時、頑張ったよな〜私♪」と、
子育て当時を思い出された方も多いのではないでしょうか??

人の赤ちゃんは哺乳類の中でも「最も早産」で生まれてくる動物のため、
離乳期の期間も長く、手もかかるわけですね。
それと比較するとシッポたちの子育ては「ラクラク☆」と思われがちですが・・・
前述の【様々な食材を受け入れ・消化し代謝させる内臓の成長も同時進行が求められます】や、
【利用できる食材と加工方法に変化が求められます。】は、
離乳期が短いシッポたちにもそうした時期は必ずあるはずです。
雑食動物(人)と 肉食動物(シッポ)の違いはありますが、(※注1
種を問わず幼齢期が未成熟であることは共通しています。


これらを踏まえて・・・仔猫ちゃんのゴハンに戻ります。

1か月月齢過ぎると、ふやかしドライフードを食べられるようになります。
中にはストレートのドライフードをカリカリと食べてしまう強者ちゃんもいます。
けれども、その頃はまだ母乳を飲まなければいけない時期です。(注2)

なのに・・・です。
仔猫用キャットフードは、

・高タンパク・高脂肪・高カロリーが必要
・ゆでる、すりつぶす、刻むと言った形状は成ネコちゃんと同等
・加熱・加水といった消化を良くするための調理は成ネコちゃんと同等
・納豆などの発酵食品で消化を助けることも成ネコちゃんと同等


ほらね・・・下痢させてしまう条件が揃っています。

「まさか・・・(-"-)」  ・・・でしょうか??

特に高タンパク・高脂肪・高カロリーは、成分値をご覧になれば一目瞭然です。
オカシイですよね?
消化も代謝能力もまだ未熟なんですよ、仔猫は。
なのに、高タンパク・高脂肪で、おまけにストレートのドライフードを食べさせてしまう現実。
しかも、おっぱいを飲まなければいけない月齢でも、それが平然と行われている現実。

大きく、健康に育ってほしいと願う気持ち=親心は、
人もネコさんも一緒なのに なぜこんなギャップが起きてしまうか・・・です。

それは、ペットフードの実態をご存じない獣医さんの囁きと、
命をお金に換えるブリーダーさんやショップさんの無責任さと、
メーカー各社の利益追求の商品戦略に落とし穴があるからにほかなりません。

大きく元気に育ってほしいために選んだはずの仔猫用フードは、
高負荷によって繰り返す消化不良から「仔猫は下痢をするもの」と、
あたかも当然のような扱いを受け、やがてその消化不良は・・・
2歳未満でタンパク質アレルギーに移行します。


人の赤ちゃんも離乳期を過ぎれば大人と同じものを食べますよね?
離乳期を過ぎても大きく元気に育って欲しいことは誰もが同じですが、
意図的に「高タンパク・高脂肪・高カロリー」を選ぶお母さんはいらっしゃいませんし、
お腹が空いている我が子に食事回数を制限されることも無いはずです。

多頭飼育のお宅で頻繁に起きることとして、
仔猫ちゃんがアダルトステージやシニアステージのゴハンを欲しがるというお話。
ゴハンタイムには隔離しても子猫ステージゴハンを食べるよう
心を砕いていらっしゃるケースもありますが、「NO!! NO!!」です。

その仔猫ちゃんは自分の消化能力に少しでも合うゴハンが欲しいだけなのです。
ちっちゃいのに、健気じゃないですか??

仔猫ちゃんの子育ての基本は人の赤ちゃんと同じ。
これはフェレットちゃんやワンちゃんでも同じです。

高タンパク・高脂肪は厳禁、ストレートのドライフードも厳禁、食事回数の制限は禁止。
消化・吸収に負担が無く、代謝に無理のない栄養バランスを、
下痢をしない程度に食べたい時に食べたいだけ・・・。

人の子育ての考え方と同じで良いのです。
ただ、人ほど未熟に生まれて来ることはありませんから気を使う時期が短いだけで、
けれども無視して良いわけではないのです。
この基本的なことを忘れて・・・
居ても差し支えない程度にもかかわらず虫下しをてんこ盛りにしたり、
粗悪な病院食のローテーションを駆使しても治りっこないのですよ。
もちろん仔猫対応ゴハンも同様です。

離乳期の仔猫ちゃんは成ネコちゃんの3倍のカロリーが必要とされています。
そこから考えると高タンパク・高脂肪・高カロリーは必要になりますが、
一口を「高タンパク・高脂肪・高カロリー」にする仔猫対応ゴハンは、
高タンパク・高脂肪・高カロリーであるがために弊害が起こります。
個体差を無視して、どの子も押しなべて「そうあるべき」ではないのです。

ペットフードは人のためにあるモノ。
だからこそ、上手に使えば良いわけです。


■■■お奨め:仔猫ちゃんのゴハン■■■

1:国産や2-3流のナチュラルフードは使用しないでください。
  20年の猫成を目指す最も大事な時期の仔猫ちゃんです。
  選り好みを知らない幼い身体に悪い成分は不要です。

2:ドライフードを利用するなら、全ふやかしにすること。
  この作業は寿命を変えるほど消化を助けます。
  食べてくれるのなら生涯継続することが理想です。

3:食べたい時に食べたいだけ。
  月齢に応じて3〜8食/日、離乳初期ならミルク回数が此処に入ってきます。
  栄養バランスを無視したおやつ製品は厳禁。(成猫さんも同じです

4:消化や代謝を助けるためのサプリメントの使用。
  これらはキャットフードに不足しています。
  幼い体がラクに消化・吸収し、その栄養をラクに使いこなすための補助栄養です。
  母乳を飲む時期に飲めていない子はなおさら必要になります。

以上の4ポイントを押さえて、以下をお選び下さい。

●ベースのゴハンは総合栄養食ウェットフードを使用します。
 【アズミラ】【C&Pオーガニクス】を中心にローテーションします。
 また【アニモンダ】【S.G.J.Pソリッドゴールドジャパンプロダクツ】は補助食のため不向きです。

3か月くらいまではミルク+温湯で伸ばして使用します。
以後は成長に合わせて適宜調整します。

--ウェットフードの保管方法--
開封時に食べきり量をラップに小分けします。
この時、ラップの中に空気が残らないようピッチリと密着させて真空状態を作ってください。
小分けのゴハンは1食ずつ常温に戻して利用します。
温める場合はラップのまま温湯で湯せんにします。(高温湯や電子レンジは厳禁


●ドライフードはウェットフードの補助として。
ウェットフードは「開けたて」が最も美味しく、時間がたてば酸化が進みます。
また、ウェットフードのサイズによって「あと少しが足りない」が起こります。
こんな時に「ふやかしドライフード」を利用します。
そのため開封後1か月内で使い切ることが出来る小袋サイズを選びます。
【アズミラ】【アーガイルディッシュ】【ハッピーキャット】を中心にローテーションします。

 --ふやかしドライフードの作り方--
 ひとつまみのドライフードを小皿にとり、ちょうど隠れる程度の良質のお水を注ぎます。
 ラップをして冷蔵庫に入れて、出来上がりを待ちます。
 冷蔵庫から取り出し常温に戻るまで待ちます。
 シッカリとふやかしたドライフードはそのままのサイズでも食べられますが、
 スプーンで潰してもOKです。

 ドライフードの量(&お水)は必要に応じて調整します。
 使用するお水はミルクでも構いません。
 ふやかしに要する時間はドライフードによって多少違いますが、
 目安として1-2時間くらいはかかります。

 **禁止事項**
 熱湯、高温湯の使用は厳禁です。
 ゴハンタイムに次のふやかしの準備を同時にすると慌てずに済みますヨ。
 ひと肌ほどに湯せんで温めると香りも立って食べやすくなります。
 良質のドライフードは酸化防止剤が使われていません。
 ドライフードをミルサーなどであらかじめ粉にすると、
 表面積が増えて、ふやかす前に酸化が一気に進んでしまいます。
 このような酸化した粉ドライフードを食べさせてはいけません。
 だからと言って、酸化防止剤や防カビ剤使用ドライフードを使用すべきではありません。

 ※ふやかしにオススメのお水
 ピタリゲン、ヴァルナウォータであれば、
 安全で最適なミネラルバランスの供給と共に分子量が小さいため早く出来上がります。


●必要サプリメント
ご紹介するサプリメントは・・・
幼い身体がラクに消化・吸収し、その栄養を最大限に使いこなすための補助栄養です。
これらはキャットフードに不足している栄養素のため過剰を心配する必要はありません。
また規定量を使用する必要は有りません。

 【アズミラ:メガペットデイリーシーシュープリーム】【プロラクト
 【フルーツザイム】は離乳期を終えてからがオススメです。
 母乳を飲む月齢や心配事がある場合はご相談ください。


●ミルク
離乳期以降3か月齢まではゴハンの一部として併用ください。
成長期に必要なタンパク・高脂肪・高カロリーはミルクで補うことが最も負担なく安全です。

 【つくば保険食品】・・・キャットミルク
 【S.G.J.プロダクツ】・・・ゴートミルク
 【つくば保険食品】・・・カタスパンレバスパンなども使えます。

幼少期を終えるとミルク併用をやめてしまう場合が大半ですが、
やめてしまうと再開できないのがネコさんという動物です。
病気の時や高齢期になるとミルクが利用できる子は在宅ケアがラクですよ。
おやつやふりかけなど、継続できる場合はなさってくださいね。


さて、仔猫用ゴハンで下痢しない子のこと。
強く生んでくれた母猫ちゃんに感謝しましょう。
けれども、未熟な身体であることに違いはありません。

身体は「今ある環境に耐えられるよう」に常にバランスを取ろうと調整しています。
この力は幼くても備わっていて、食事にかかわる機能も同じです。
そのため「高タンパク、高脂肪、高カロリー」に耐えようと、
全臓器がシャカリキ@フル稼働になって調整しているために、
「下痢という危険サイン」をなんとか発信せずに済んでいるわけです。

量を減らせば下痢しない・・・ってありますよね?
それって、少し量が増えれば、簡単に限界を超えること意味しています。
「下痢という危険サイン」を発信せずに済んでいる仔猫ちゃんも、
あと少しで限界を超えるようなら、
それは「やってはいけない全臓器がシャカリキ@フル稼働」ですよ。

こうした「無理」が出来るのは、前倒しに利用出来る寿命があるからですが、
その前倒しに使ってしまうパワーは本来、高齢期に使うべきではないのでしょうか??
病気になった時に使うべきものなのではないのでしょうか?
少なくともオッパイを貰うような時期に使用すべきではないのですヨ。
母猫ちゃんと暮らすことが出来る仔猫ちゃんは2-3か月ならもちろんんこと、
中には6か月、8か月になってもオッパイを咥えている子もいますよ。(※注2

出なくても・・・ちゃんと意味があることなんです(*^_^*)
仔猫の生命力は未知数で、下痢をし続けながらでも、
申し分のない大きさに育ってくれるだけの強さを備えていますが、
仔猫ちゃんでいてくれる時期は「あっという間」に過ぎ去ってしまいます。
このあっという間の時期を仔猫ちゃんの力に依存して誤った子育てしてしまうと・・・
1歳前後からタンパク質アレルギーが出てしまいます。

ぜひぜひ、慎重に、無理をさせないゴハン選びをしながら、
仔猫ちゃんの成長を楽しみながら見守ってくださいね。


※注1
此処では便宜上、雑食動物(人)と肉食動物(シッポ)と分けていますが、
必ずしもこの表現ですべてが説明できるわけではありません。
またシッポたちと言えども、猫・フェレット・犬はそれぞれ食性が異なるわけですから、
人の離乳期と同じではありません。

※注2
母乳は単なる栄養供給源だけではなく、
生きるために必要な免疫因子や酵素類の供給も行います。
同時に子供にとっては精神安定的な意味合いがあります。(成分上も)
そのため、母ネコさんは本能から母乳が出なくなるまで求められれば与え続けます。
また、母ネコさんの次の発情が無ければ母乳が出なくなった後も、
親離れ・子離れすることもなくオッパイを与え続ける場合もあります。

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